研究課題
本研究グループは、セクシュアリティおよびジェンダーと、階層・階級、人種・民族、地域、国籍といった軸との交差に焦点をあて、日本におけるクィア・スタディーズを展開している。理論班では、ジェンダーやセクシュアリティが人種、民族、国籍、階級などの概念とどのように関連しているかを分析した海外の研究事例の調査を行ない、グローバリゼーション、国家主義、ネオリベラリズムなどの諸問題と呼応させて議論する研究が海外において活発に行なわれていることを確認した。つぎに、日本の文脈においてクィア・スタディーズを展開していく際に重要であると考えられる4つのテーマのうち、(1)クィアと生活班では、性的マイノリティに対する意識調査を企画する下準備として、国内外の性的マイノリティを対象にした調査に関する文献レビューおよび既存の調査項目のリストアップを行った。(2)クィアと健康班では、クィアな生に対する「健康」阻害要因の先行研究の整理を行ない、(1)エイズとMSMの行動形態、(2)性同一性障害の「性別」と表象をめぐる言説分析、(3)性的少数者のピア・サポートにおける生の困難と暴力をめぐる諸問題について検討した。(3)クィアと教育班では、海外のクィア・ペダゴギー文献レビューを行うとともに、クィア・スタディーズ入門公開講座として、11月から1月まで全6回にわたる公開講座を開講し、講義の焦点や難度、さらに講義形式などにいたる、多様なフィードバックを受けた。(4)クィアと法制度班では、(1)性的マイノリティに関連する国際文書を整理するとともに、ジェンダー関連の国際文書をイシューごとに分類し、性的マイノリティとの関連を整理した。(2)性同一性障害特例法の再検討では、AID児の法的位置づけに関連する議論を中心に、家族生活・家族形成の人権保障の視点から特例法の問題を分析した。
すべて 2011 2010
すべて 雑誌論文 (8件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (14件) 図書 (5件)
人権教育研究
巻: 19巻 ページ: 148-172
論叢クイア
巻: 3巻 ページ: 24-37
社会学評論
巻: 61巻2号 ページ: 196-205
In God's Image : Journal of Asian Women's Resource Centre for Culture and Theology
巻: 29巻2号 ページ: 58-66
解放社会学研究
巻: 22巻 ページ: 102-118
社会システム研究
巻: 21巻 ページ: 37-57
巻: 21巻 ページ: 18-22
巻: 3巻 ページ: 39-60