研究課題/領域番号 |
22510299
|
研究機関 | 独立行政法人国立高等専門学校機構 大島商船高等専門学校 |
研究代表者 |
石田 依子 独立行政法人国立高等専門学校機構 大島商船高等専門学校, 一般科目, 准教授 (40370027)
|
キーワード | 女性船員 / ジェンダー / 海運 / 船舶 / 商船教育 |
研究概要 |
本研究の目的は、海運界ではジェンダーがどのように認識されるべきかということを、欧州と日本を中心に国際的に比較し、分析することである。本年度においては次の点を明らかにした。(1)前年度において18~20世紀の欧州の海事史における女性船員の変遷をたどり、どのような国にどのような形式で女性が海に出て行ったかということを明らかにしたが、その結果を論文に著した。(2)昨年度は海外の女性船員の研究としてイギリスの女性船員の就労状況を調査し,我が国の貨物船に勤務する女性船員の就労状況についても調査したが、これらの結果についてのデータベース化を行い、さらに論文として発表した。(3)さらに、本年度は対象国を北欧三国(スウェーデン・デンマーク・ノルウェイ)とし、船主協会などの公的機関、船会社、海事教育機関など8つの団体に対して訪問やアンケートによって調査を行った。北欧は福祉の先進国ということもあり、欧州の中でも女性船員を有している率が高く、3割近くに上ることが分かったが、これは我が国が1割にも満たない状況であるのと比べると対照的である。今後は、女性船員の存在状況や社会的需要に関して、今までに得た海外の結果(イギリス及び北欧)と我が国における状況を全般的に比較分析する。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成22年度、23年度において、各年の調査結果の結果公表の手段として学会発表と論文発表を挙げていたが、この二点が予定通りに進んでいるので、調査・結果公表とも概ね順調であると判断する。
|
今後の研究の推進方策 |
この年は、前年度に北欧における女性船員の就労状況を今後の研究に役立つようにデータベース化する。 さらに、本年度は国内の大学・大学校・商船高専・海技短大・海技学校など、「商船系」の海事教育機関の調査を実施するが、これも現地に出向いてのインタビューや聞き取り調査が中心となる。得られた結果は、教育機関ごとにデータベース化して、今後、様々な状況で活用できるような体制を作る。
|