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2010 年度 実績報告書

解剖生理学の進展とヘレニズム期の人間観の展開をめぐる思想文化史的研究

研究課題

研究課題/領域番号 22520002
研究機関弘前大学

研究代表者

今井 正浩  弘前大学, 人文学部, 教授 (80281913)

キーワード解剖生理学 / 初期アレクサンドリア医学 / アリストテレス / プラクサゴラス / ヘロピロス / 脳中心説 / 心臓中心説
研究概要

本研究の課題は,前5世紀に経験科学としての基礎を確立したギリシア医学が,前3世紀以降に,解剖生理学の進展にともなって人体の科学へと展開していくプロセスをとおして,ヘレニズム期の人間観の展開にどのような影響をおよぼしたかという問題について,古典ギリシア語・ラテン語の文献資料に基づいて,思想文化史的視点に立って,実証的に明らかにしていくことにあった.
本研究の第一年目にあたる平成22年度においては,解剖生理学の進展に大きく貢献したとされる初期アレクサンドリアの医学者たちの人体の生理学モデルとその基本的特長の解明を中心とした考察をすすめた.中でも,解剖生理学の立役者の一人とされるカルケドン出身の医学者ヘロピロスに重点をおいて,生物学研究において解剖という手法を学問的方法として確立したアリストテレスや,かれの支持した心臓中心説をコス医学派の脳中心説の伝統に抗して導入したとされるプラクサゴラスと,ヘロピロスとの関係を明確化することによって,この医学者の思想史的位置を明らかにしてきた.
年度後半には,この方面の研究に特有とも言える慢性的資料不足を補う目的で,ケンブリッジ大学・古典学部に赴き,関係資料の収集・調査等に精力的に努めるとともに,この方面の専門研究者たちと積極的な意見交換を行なった.
以上の研究の諸成果については,英文の学術論文としてとりまとめ,専門の学術雑誌に投稿した.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2010

すべて 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [学会発表] 初期アレクサンドリアの医学思想におけるヒポクラテス医学の伝統2010

    • 著者名/発表者名
      今井正浩
    • 学会等名
      日本科学史学会第57回年総会
    • 発表場所
      東京海洋大学(東京都)
    • 年月日
      20100529-20100530
  • [図書] 科学思想史(第8章「ギリシア医学における批判と論争」を執筆担当)2010

    • 著者名/発表者名
      金森修(編著), 佐藤恵子, 隠岐さや香, 井田尚, 吉本秀之, 本間栄男, 山内志朗, 今井正浩(共著)
    • 総ページ数
      508
    • 出版者
      勁草書房

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公開日: 2012-07-19  

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