2014年4月27日、慶應日吉でのシンポジウム 'Plato and Rhetoric' で 'Persuasion in Plato's LAWS' と題する発表を行ない、『法律』の「死後の神話」が置かれた文脈である、客人による若き無神論者の「説得」の特質を解明した(『法律』の「死後の神話」自体の主題的解明はすでに行っており、本発表はそこでの洞察を深めるもの)。 『中世思想研究』に「トマスの存在理解をめぐる上枝氏の提題に寄せて」を発表し、自体存在を措定するプラトン主義的体系の言語の特質・一貫性を解明し、プラトンの神話の言語を考察する視角を提示した。 2013年9月22日、新プラトン主義協会大会シンポジウムにて「プラトンらと無限」と題する提題を行ない、<極限的なもの>に関するプラトンの思考の特質を明らかにし、死後の状況をめぐる彼の思索を考察する視座を提示した(提題原稿は同協会機関誌に投稿中)。 日本西洋古典学会大会(東京大学駒場、6月1-2日)、日本倫理学会大会(愛媛大学、10月4-6日)、中世哲学会大会(11月9-10日)に参加し、プラトンの「死後の神話」および関連するテーマについて研究意見交換を行なった。国際プラトン学会大会(ピサ、7月15-20日。6泊7日)に参加し、イデア認識の忘我的体験としての側面について研究意見交換を行ない、また研究打ち合わせ、資料調査を行なった。11月23日京都大学にてR. Benitez教授と想起説に関する研究意見交換を行なった。 『法律』の「死後の神話」(特にそれが国家統治に果たすとされる役割)についての英語論文を海外の査読付き雑誌に投稿予定。 本研究は、同じ研究代表者による、平成26年度からの科研 基盤(C)「西洋古代の魂不滅説・滅亡説の論拠・含意に関する哲学的研究」における、プラトンの魂不滅説の研究の基礎として役立てられるであろう。
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