• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2011 年度 実績報告書

画像の意味論に関する哲学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 22520005
研究機関山形大学

研究代表者

清塚 邦彦  山形大学, 人文学部, 教授 (40292396)

キーワード画像 / 作品 / 存在論 / 想像 / 描写
研究概要

平成23年度は、画像の問題に関して、二つの観点から踏み込んだ検討を行った。
第一は、画像を見る経験における想像のあり方をどう考えるかという観点である。画像を見るとは、通常の絵画作品の場合ならば、ある平面上の物体を見ることであると同時に、そこにあたかも一定の空間的な広がりを見ているかのような想像体験を味わうことである。そこまでは、おそらく自明な事実とみてよい。しかし、意外に分かりにくいのは、その場合の、あたかもある三次元の対象を見ているかのような想像の内実である。本年度の研究の一つの焦点として検討したのは、この想像の内訳が、画像の内容や性格に応じて多様だという事情である。
第二は、画像とはそもそもどのような対象なのか、という存在論的な観点である。描写の問題とは一見無縁なこの存在論的な考察は、実は画像の描写機能を考える上で決定的に重要である。絵が何を描いているかについての理解は、たとえば版画の場合なら、特定のプリントの描写内容を考える場合と、同じ版のすべてのプリントに共通の描写内容を考える場合とでは、異なってくるからである。こうした事情を再確認し、今後の課題の方向を明確にできたことが、本年度後半期の成果である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本年度は当初の計画通り画像の知覚における想像の働きについての検討を行った。検討はおおむね順調に進展したが、年度後半、画像作品の存在論に関する考察を交えて当初予定とは若干異なる方向へと研究が進展したため、想像の画像における働きを巡る検討成果の発表は先送りとなった。

今後の研究の推進方策

本年度は当初の予定通り画像の表現機能に焦点を置き、画像と受け手側の感情的反応の相関関係について検討を行う計画である。それに加えて、前年度に先送りとなった画像における想像の働きに関する検討成果を論文にまとめる予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 芸術作品とはどのような対象か?2012

    • 著者名/発表者名
      清塚邦彦
    • 雑誌名

      これが応用哲学だ(戸田山和久ほか編)(大隅書店)

      巻: (印刷中)

URL: 

公開日: 2013-06-26  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi