本研究は各種の教育現場における「バリアフリー教育」の進展をにらみながら、そうした教育を支える社会や制度の望ましいあり方を社会倫理学の観点から構想しようとしたものである。その際に、《障碍》(以下、法令や通例に準じた用語以外はこの表記に統一する)と《平等》という理念を再定義する(時代と社会のニーズに応じて「編み直す」unthinking)試みを機軸に定めている。研究代表者が考究してきた社会倫理学・社会正義の理論と現在の所属機関で運営に携わっている「バリアフリー教育開発研究センター」の実践とを相互に突き合わせる作業を通じて、ことばの真の意味での「応用倫理学」に取り組んでみた。
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