本研究の継続期間中に8篇の論文を公表した。最初の論文は、行為の演技論的説明によって自己犠牲的行為を説明するものであった。自己犠牲への関心は期間中のすべての論文に関わっている。 第二の論文では、実験哲学の手法により、行為説明の比較文化論的な考察を行なった。そして、日本的な行為説明がしばしば行為者と周辺環境の協同による結果として行為を説明するものであることを見出した。 残る6篇の論文は、周辺環境の要因を行為のためのシナリオと見なす立場をとり、自己犠牲のように見かけ上は不合理な行為でも、シナリオによって与えられる虚構空間において合理的説明が与えられるということを見出した。
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