ヘーゲル論理学とは何かについて発展史的見地から研究した。その結果次の点が明らかになった。ヘーゲル論理学は通常の論理学でなく、存在論であるが、存在を「関係」としてとらえ、それを「認識の理念」によって根拠づける理論である。その方法は「外的関係」を「内的関係」に転ずることであり、そこから、概念の「弁証法」と「自己内反省」が生じる。この構想は1804/5年の「論理学/形而上学」から始まり、その「論理学」部分が1808年頃から思弁的に再編成されることによって、1811年頃に「大論理学」の概要が形成されるようになった。
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