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2011 年度 実績報告書

わが国における歯科医療倫理学の構築のための基盤的研究

研究課題

研究課題/領域番号 22520035
研究機関大阪歯科大学

研究代表者

樫 則章  大阪歯科大学, 歯学部, 教授 (40194766)

キーワード歯科医療倫理学 / 自律 / プロフェッショナリズム
研究概要

本研究は、わが国における歯科医療倫理学構築のための基盤的研究を目的とするものであり、そのために歯学部における歯科医療倫理教育のための倫理的検討事例の作成・収集を第一の課題とし、平成24年3月末までに連携研究者等からすでに27例の提供を得ることができた。今後さらなる提供を得て、平成24年7月末までに合計で50例になることを目指している。
他方、平成23年度は海外の研究者を招聘して、広く国際的な観点から今後の歯学部における歯科医療倫理教育のあり方について検討する予定で、具体的な人選を22年中に終えて打診し、承諾を得ていたが、23年3月に東日本大震災があり、当時、先行きが見えない事情があったため、結局、招聘そのものを中止せざるをえなかった。
そこで、今後の歯学教育の内容充実のために、近年、わが国における歯科医療のあり方としてますますその重要性が認識されつつある訪問歯科診療における、倫理を含む様々な問題点を現場の歯科医師から話してもらい、歯学教育のなかにどのように位置づけるべきかを検討するための研究集会を24年2月に東京歯科大学にて開催した。患者およびその家族と「世間話」をすることができる、全人的な教養を身につけることの必要性が指摘された。
また医学および医学教育でもしばしば問題となる患者中心の医療のあり方について検討するために岡山生命倫理研究会との共催で3月に岡山大学にて研究集会を開催した。患者中心の医療に患者の権利の尊重と患者の感情面への配慮が必要であることは多くの賛同を得たが、臨床現場でそれらをどのように進め、実践していくかの難しさが指摘された。
なお、医師患者関係を考えるための中心概念のひとつである自律について検討し、学会発表するとともに、昨年度の研究集会にて作成した暫定プロダクトを基に、日本歯科医学教育学会倫理プロフェッショナル委員会にて、歯学部学生に求められる資質・能力についてまとめた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

倫理的検討事例の収集が当初予定していたほど集まらなかったこと。

今後の研究の推進方策

年度末近くになって様々な倫理的検討事例が集まりはじめ、今後提供される予定のものが相当数あるので、「やや遅れている」現状を改善するために、とくに推進方法について見直す必要性はない。今後、倫理的検討事例の整理・検討を進め、25年1月末には冊子に仕上げる。また治療目的で抜去された歯の教育・研究利用について実態を調査し、その倫理的に好ましいあり方について学会誌において提言する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012 2011

すべて 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [学会発表] 自律概念の再検討-実質的説明の擁護-2011

    • 著者名/発表者名
      樫則章
    • 学会等名
      日本生命倫理学会
    • 発表場所
      東京(東京大学)
    • 年月日
      2011-10-16
  • [図書] シリーズ生命倫理学第2巻生命倫理の基本概念(分担執筆)2012

    • 著者名/発表者名
      樫則章
    • 総ページ数
      xiv+251
    • 出版者
      丸善出版

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公開日: 2013-06-26  

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