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2012 年度 実績報告書

春秋左氏経文の原春秋左氏伝からの抽出・編作とその作経メカニズムの研究

研究課題

研究課題/領域番号 22520040
研究機関秋田大学

研究代表者

吉永 慎二郎  秋田大学, 教育文化学部, 教授 (70240330)

研究期間 (年度) 2010-04-01 – 2013-03-31
キーワード原左氏伝から春秋左氏経へ / 春秋左氏経から春秋経へ / 四種類型文 / 春秋経の作経メカニズム / 四時記載法 / 踰年称元・正月即位法 / 天子の事 / 礼の筆法から名の筆法へ
研究概要

本研究は「春秋左氏経文は原左氏伝(今本左伝の解経・凡例等を除いた部分)からの抽出・編作の手法により制作された」との吉永の仮説のもとに春秋二百四十四年の全経文について検討して、その作経メカニズムを解明せんとする。この仮説では、全経文は次の四種のいずれかに分類し得る。①抽出文(原左氏伝からの抽出)、②抽出的編作文(原左氏伝から抽出して編作)、③編作文(原左氏伝と密接に関係するが他史料の援用により編作)、④無伝の経文(i原左氏伝からの切り取り抽出、ii他史料の援用、iii編作者の創作、の三ケースのいずれかにより成立)の四種類型文である。
本年度は『春秋左氏経文の原春秋左氏伝からの抽出・編作とその作経メカニズムの研究―春秋二百四十四年全左氏経文の抽出・編作挙例と左伝文(上)―』(私家版、(株)秋田活版印刷印行、平成25年3月)を上梓し、以下のことを明らかにした。
1、春秋前半の六公百十四年間の全経文(795条)の四種類型文の分類状況は、①抽出文23.9%、②編作文25.9%、③編作文17.7%、④無伝の経文32.5%であり、抽出系(①と②)49.8%、編作系(③と④)50.2%となる。これは本仮説を傍証する客観的論拠を提示する。2、本仮説は編作系経文に他史料(諸侯の策、魯の宮廷記録、世卿の族譜等)の援用というミッシングリンクを内包するがトータルには春秋経文の成立メカニズムを合理的に説明しうる。3、具体的作経原則としては「四時記載法」「踰年称元・正月即位法」「天子の事」「名の筆法」などについて明らかにした。4、本研究により、原左氏伝→左氏経という時系列的展開の不可逆性が論証された。5、原左氏伝と春秋経の関係は『資治通鑑』と『資治通鑑綱目』との関係に比定される。
以上の成果は、吉永の仮説の有効性を論証し、以て春秋経成立問題に関する従来の通説的観点にコペルニクス的転換を齎す画期的意義を有する。

現在までの達成度 (区分)
理由

24年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

24年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2013 その他

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 春秋経(左氏経)の作経メカニズムについての考察(四)―文公期「左氏経」の「原左氏伝」からの抽出・編作挙例とその分析より―2013

    • 著者名/発表者名
      吉永 慎二郎
    • 雑誌名

      秋田大学教育文化学部研究紀要 人文・社会科学

      巻: 第六十八集 ページ: (1)~(15)頁

  • [学会発表] 台湾の経学と春秋学 ― 台湾大学「経学與文学国際学術検討会」に参加して

    • 著者名/発表者名
      吉永慎二郎
    • 学会等名
      秋田中国学会
    • 発表場所
      秋田大学
  • [図書] 春秋左氏経文の原春秋左氏伝からの抽出・編作とその作経メカニズムの研究―春秋二百四十四年全左氏経文の抽出・編作挙例と左伝文(上)―2013

    • 著者名/発表者名
      吉永慎二郎
    • 総ページ数
      124頁
    • 出版者
      私家版、(株)秋田活版印刷印行

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公開日: 2014-07-24  

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