研究課題/領域番号 |
22520055
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研究機関 | 駒沢女子大学 |
研究代表者 |
安藤 嘉則 駒沢女子大学, 人文学部・日本文化学科, 教授 (30259030)
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キーワード | 中世禅宗 / 相伝資料 / 代語 / 松ヶ丘文庫 / 曹洞宗 / 臨済宗 |
研究概要 |
23年度も引き続き中世禅宗の相伝資料について撮影・複上写等によって資料収集することであった。特に調査した寺院は曹洞宗系では乗国寺(茨城県結城市)・旭伝院岸沢文庫(静岡県焼津市)であった。前者では松庵宗栄の代語集がこれまで焼失されたものとされた資料が発見され、これを複写し、翻刻・書き下し作業を開始した。後者は『巨海代』・『万極代』等の代語資料を中心に撮影した。また臨済宗系では大仙寺(岐阜県八百津町)において臨済宗の戦国期の語録を複写した。これらのうち代語資料について、翻刻研究を行い、『代語資料研究』を発刊した。 『代語資料研究』第1巻 平成23年2月(『巨海代』の翻刻研究) また松ヶ岡文庫の禅籍については、すでに書名と登録番号等をデータ化したが、各写本・版本について原本を直接確認しながら書誌情報(奥書・刊記・装丁等)を打ち込んでいるところである。この調査の成果の一部については「松ヶ岡文庫所蔵の禅籍について」として『松ヶ岡文庫研究年報』第26号に掲載発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
中世曹洞宗の公案解釈に有益な代語資料の研究については着実に進んでおり、翻刻研究や資料紹介のための研究書を発刊しており、その点では順調に進展しているといえるが、松ヶ岡文庫の禅籍資料の打ち込み作業は、着実に進んでいるものの、ややペースとしては遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
松ヶ岡文庫の禅籍の打ち込み作業は、アルバイト補助員を増員してペースを上げていきたい。また相伝資料とりわけ代語資料については、平成23年度と同じようなペースで研究を進めていく。
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