本研究は従来、秘書とされてきた禅宗の相伝資料について臨済宗と曹洞宗に分けて調査し、文献の把握と撮影等による資料収集、ならびに資料整理と分析を実施した。臨済宗については松ヶ岡文庫蔵書目録の目録作成(データ資料)・『中世禅宗における公案禅の研究』を刊行した。また曹洞宗については各寺院栃木・大中寺、茨城・杲泰寺、埼玉・西光寺といった曹洞宗寺院に所蔵される写本等を撮影し、プリントアウトして考察を加えた。その成果は曹洞宗総合研究センターの第14回学術大会にて、中世末期から近世初頭にかけて曹洞宗の公案禅に大きな一を占めた快庵派の影響について発表した。
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