研究課題/領域番号 |
22520058
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研究機関 | 財団法人東方研究会 |
研究代表者 |
田辺 和子 財団法人東方研究会, 研究員 (20217102)
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研究分担者 |
茨田 通俊 財団法人東方研究会, 研究員 (10260126)
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キーワード | 折本紙写本 / 貝葉写本 / クメール文字 / ニューヨークパブリックライブラリー / 仏徳 / Wat Hua Krabau / Wat Hong Ratanaram / アユタヤー期後期 |
研究概要 |
タイ、バンコク郊外の寺院Wat Hua krabau、ペッブリ県の寺院Wat Ladそしてフランス、パリの極東学院(EFEO)に所蔵されているアユタヤー後期(18世紀)折本紙写本計5本のクメール文字パーリ語で書かれている「マハーブッダグナ(偉大なる仏徳)」のローマ字転写を全て完成しおえた。またタイ、トンブリー地区の寺院Wat Hong Ratanaramから収集した貝葉写本1本に「マハーブッダグナ(偉大なる仏徳)」の完本を発見したのでこれについてもローマ字転写を行った。これのみでは校訂作業が不充分と思ったので、アメリカ、ニューヨークパブリックライブラリー所蔵のアユタヤー後期しかも18世紀前半とみなされる折本紙写本2本の影印を現地に出かけて撮影してきた。そしてこの2本もローマ字転写を終えた。また茨田通俊氏を中心にWat Hua krabau所蔵の写本の「マハーブッダグナ(偉大なる仏徳)」の和訳を終えている。 解読が困難である上、これまでに南方上座仏教関係書に「マハーブッダグナ(偉大なる仏徳)」の出版が見られないので和訳するにあたって困難をきわめた。校訂本と和訳が完成すれば17,18世紀における南方上座仏教の仏陀観がはっきりとみえてくると思う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでに入手している全ての「マハーブッダグナ(偉大なる仏徳)」についての写本のローマ字転写を終え、さらに1本の和訳を終了しているのでこれをもとにして校訂、和訳をすすめることは容易であると思う。アイルランドのダブリンのチェスタベッティライブラリー所蔵のアユタヤー期作製折本紙写本の影印を入手できればさらに学問に貢献できると思われる。
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今後の研究の推進方策 |
研究分担者茨田通俊氏、研究協力者清水洋平氏、舟橋智哉氏の協力を得て毎月一回の研究例会を開催して校訂作業の検討を行い、さらに和訳の検討を行っていく。また研究協力者の原田正美氏から情報を得て、ミャンマーでは「仏徳」の讃歎をどのように行っているかを調査してもらう。
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