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2010 年度 実績報告書

「路傍の地蔵」の宗教史的考察

研究課題

研究課題/領域番号 22520060
研究機関金沢大学

研究代表者

清水 邦彦  金沢大学, 人間科学系, 准教授 (50313630)

キーワード地蔵盆 / 地蔵祭 / 六地蔵巡り / 道祖神
研究概要

平成22年度は、主に京都の地蔵盆に関する調査・研究を行った。京都は、路傍に地蔵像が盛んに祀られている代表的地域である。京都は、おおよそ「一町一地蔵」である。この場合の町は、行政区域ではなく、江戸時代以来の10戸程度の小規模なマチであり、京都の道を歩くと、すぐに地蔵像が見つかる。これらの地蔵像は、古えより存在したのではなく、江戸時代以降、地蔵祭(現在でいう地蔵盆)を行うために立てられたものである。このため、22年度は京都の地蔵盆の調査を行い、その研究成果を学会で発表し、論文化した。京都各地の地蔵祭は、六地蔵巡りの復活とともに発生した。六地蔵巡りに参加した大人は、子供にこそ六地蔵巡りの現世利益を授けたいと考えた。しかし、子供の足では六地蔵巡りを行うことは難しい。そのために考え出されたのが、各地の地蔵祭であり、その形式は六地蔵巡りの各寺の地蔵祭が模倣された。ゆえに、地蔵祭(地蔵盆)の功徳は、現世利益を中心としている。先行研究では、路傍の地蔵像の源として、道祖神が想定されてきた。しかし、こと京都に関する限り、当てはまらない。京都の路傍の地蔵像は、地蔵盆に於いて、子の成長等現世利益が期待されている。よそからの悪霊を遮断する職能は見られない。確認しておけば、京都の路傍の地蔵像は境に立てられる訳ではない。
なお、平成22年度に於いては京都・上京区の地蔵盆調査を中心としたため、偽年度は、下京区の調査を行い、補正を行う。22年度は、その他、奈良の地蔵盆調査・東京都23区域北西部(板橋区・練馬区・杉並区・中野区・豊島区)の路傍の地蔵像調査を行ったが、研究成果の発表は23年度に行う。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 京都の地蔵盆の宗教史的考察2011

    • 著者名/発表者名
      清水邦彦
    • 雑誌名

      比較民俗研究

      巻: 25 ページ: 74-88

  • [学会発表] 路傍の地蔵像の歴史的考察2010

    • 著者名/発表者名
      清水邦彦
    • 学会等名
      日本宗教学会
    • 発表場所
      東洋大学(東京)
    • 年月日
      2010-09-04

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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