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2013 年度 実績報告書

「路傍の地蔵」の宗教史的考察

研究課題

研究課題/領域番号 22520060
研究機関金沢大学

研究代表者

清水 邦彦  金沢大学, 人間科学系, 准教授 (50313630)

研究期間 (年度) 2010-04-01 – 2014-03-31
キーワード地蔵信仰 / 道祖神 / 死者供養
研究概要

江戸時代の地蔵説話集に於ける地蔵信仰をまとめ、これまでの現地調査と照合した。具体的には江戸時代の地蔵説話集に於いても、「路傍の地蔵」と道祖神との関係を説く記述はなかった。江戸時代の地蔵説話集に於いて、地蔵は現世利益的面を強めていったが、死者供養的側面が全く無くなった訳ではない。この点は道祖神と異なる。地蔵の現世利益が強調されるようになったのは、檀家制が義務化されたため、寺が現世利益的要素を強調したことも一因である。但し、疫病退散・旅安全といった道祖神と共通する職能は見られない。(病気治しはある。)
では、なぜ、路傍に地蔵が祀られるようになったのか? 『地蔵菩薩直談鈔』の以下の記述に着目した。「惣シテ地蔵菩薩ハ六道能化ナレバ諸國所所ニ至ルマデ石地蔵ヲ路辺ニ安置セリ」これに従えば、地蔵は、地獄からの救済等の死者供養の菩薩であるゆえ、路傍に祀られるようになったのである。このことは、これまでの現地調査と符号する。やはり路傍の地蔵は、道祖神との習合ではなく、死者供養的性格ゆえ、路傍に祀られるようになったのである。
なお、江戸時代の地蔵説話集に於ける地蔵信仰の特徴としては以下の点が挙げられる。①中世では主に小僧の姿で顕れたに対し、江戸時代では時に大法師や老僧の姿で現れるようになった。②中世では地蔵が直接的に救済していたに対し、江戸時代では薬を与えるといった間接的救済に変わっていった。③中世では地蔵が罰を下すことは無かったが、江戸時代では地蔵像を破壊すると、罰を下すようになった。

現在までの達成度 (区分)
理由

25年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

25年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2014 その他

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 地蔵説話の継承と変遷ー中世から近世へー2014

    • 著者名/発表者名
      清水邦彦
    • 雑誌名

      倫理学

      巻: 30 ページ: 印刷中

  • [学会発表] 地蔵説話の継承と変遷

    • 著者名/発表者名
      清水邦彦
    • 学会等名
      説話文学会
    • 発表場所
      南山大学(愛知県)
  • [学会発表] 「地蔵の化身」観の変遷

    • 著者名/発表者名
      清水邦彦
    • 学会等名
      日本思想史学会
    • 発表場所
      東北大学(宮城県)

URL: 

公開日: 2015-05-28  

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