研究課題/領域番号 |
22520063
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研究機関 | 國學院大學 |
研究代表者 |
藤田 大誠 國學院大學, 人間開発学部, 准教授 (20407175)
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研究分担者 |
青井 哲人 明治大学, 理工学部, 准教授 (20278857)
畔上 直樹 上越教育大学, 学校教育研究科, 准教授 (20315740)
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キーワード | 帝都東京 / 神社境内 / 公共空間 / 公共性 / 公園 / 京都 / 寺院境内 / 神職 |
研究概要 |
平成23年度は、(1)関係資料の調査・収集とその検討、(2)研究会開催と研究発信を軸に研究を推進した。(1)は、近世・近代の社寺・公園等に関する研究文献や活字資料、古書店所蔵資料の収集・検討に重点を置いた。但し、明治神宮をはじめとする神社関係原資料の調査・収集については本研究課題における予算で賄うことはせず、デジタル複写などによって行った。(2)は、次の如く神社と「公共空間」研究会を4回開催した。(1)第5回研究会(平成23年5月28日、於國學院大學)は、科学研究費補助金基盤研究(B)「戦争死者慰霊の関与と継承に関する国際比較研究」(研究課題番号:22320018、研究代表者:西村明)と共催で合同研究会「慰霊をめぐる人々とその空間」として開催。(2)第6回研究会(7月30日、於京都府立総合資料館)は「新旧〈帝都〉における社寺行政-公文書・法令の検討を中心に-」をテーマに開催。(3)第7回研究会(10月22日、於明治神宮外苑聖徳:記念絵画館)は、明治神宮国際神道文化研究所と共催で「明治神宮の造営前史と隣接空間」をテーマに開催。(4)第8回研究会(平成24年1月21日、於國學院大學)は、明治神宮史研究会・明治神宮国際神道文化研究所と共催で第8回明治神宮史研究会を兼ねて開催。研究会では、神道史、宗教史、建築史、造園史、都市史、地域社会史、史料学などの学際的な観点から活溌に議論が行われ、その成果の一部は論文に結実している。また、収集資料を用いて研究史や神社境内・公園行政の関係法令など各種データの整理を行い、成果の一部は論文で公表した(明治神宮史や近代神苑、公園、「国家神道」に関する研究史の整理など)。これに伴う研究文献リストと関係法令一覧については、平成24年度中に本研究のウェブサイトにて公開する予定である。なお、神社建築や造園学、都市計画行政をめぐる関係人物の相関図作成にも着手し、来年度の完成を目指して研究会で検討を続けている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り、関係資料の収集・検討を行うとともに、年1回の京都出張調査及び年4回の神社と「公共空間」研究会(公開研究会含む)も着実に開催し、充実した学際的議論が出来ているだけでなく、その研究成果が研究メンバー各自による多数の学術論文に結実しているため。なお、平成22年度実績報告書で課題に挙げていたウェブサイトにおける成果公開についても作成に漕ぎ付けており、順次研究内容の紹介や成果の発信に努めている。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画の大幅な変更は特に考えていない。最終年度である平成24年度は、第9回~第12回の神社と「公共空間」研究会を開催し(於 國學院大學、明治神宮、京都府立総合資料館)、さらに9月開催の日本宗教学会第71回学術大会(於 皇學館大学)でパネル発表「「国家神道」における公共性と宗教性-昭和戦前期を中心に-」を行い、10月には、本研究の総括的な公開シンポジウムを開催する(於 明治神宮社務所講堂)。これらを踏まえ、当初の計画通り、これまでの本研究における成果をまとめた報告書(研究の概要、論文編、資料編〔研究文献リスト、関係法令一覧、関係人物相関図〕)を作成する予定である。なお、研究会やシンポジウムの開催に当たっては、より一層の学際的な議論を目指すため、適宜、明治神宮史研究会及び明治神宮国際神道文化研究所、平成24年度科学研究費助成事業(学術研究助成基金助成金)基盤研究(C)「近現代日本の宗教とナショナリズム-国家神道論を軸にした学際的総合検討の試み-」(研究課題番号:23520079、研究代表者:小島伸之)と共催する予定になっている。
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