研究課題/領域番号 |
22520068
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研究機関 | 皇學館大学 |
研究代表者 |
河野 訓 皇學館大学, 文学部, 教授 (20329907)
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研究分担者 |
櫻井 治男 皇學館大学, 社会福祉学部, 教授 (00087735)
本澤 雅史 皇學館大学, 文学部, 教授 (70174349)
外山 秀一 皇學館大学, 文学部, 教授 (50247756)
田浦 雅徳 皇學館大学, 文学部, 教授 (20298649)
蓑輪 顕量 東京大学, 人文社会系研究科, 教授 (30261134)
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キーワード | 神仏分離 / 廃仏毀釈 / 伊勢神宮 / 宗教都市 / 神葬際 |
研究概要 |
具体的内容:【研究資料の調査・収集】a)神仏分離後に旧度会府内の寺院等に移された廃寺関連文書・仏具・什物については伊勢市内の寺院(寂照寺等)や公民館(中村町公民館)で調査を行い、聞き取りも行った。b)神仏分離後の廃寺からの流出物(仏具・什物等)については菩提山神宮寺等から愛知県碧南市海徳寺に流出した丈六阿弥陀像等を現地調査し、現住職から関連する情報を得た。c)三重県神社庁所蔵資料のうち、バーチャル化に備えて建物の図及び図面をデジタル撮影した。d)神宮文庫所蔵の宇治・山田の古地図に描かれている社寺について、楠部、中村、宇治、古市、岡本・尾上、河崎、越坂において現地調査を行った。e)伊勢市史編さん室において『伊勢市史・民俗』編纂時の市内悉皆調査の原資料を閲覧し、調査項目も入手した。【収集資料の整理と解読】a)本研究は科研「宗教都市における神仏分離の実態的調査-伊勢神宮の門前町「宇治・山田」を中心に-」(櫻井治男代表、平成19~21年度)に基礎データを負っているが、その際に翻刻した宇治山田に所在したすべての寺院を網羅する『寺院名録』の検討を進めるなかで、その記述内容の不十分さに気づかされ、改めてその基となった資史料を精査し、照合している。b)バーチャル化に向けてArcView10 SUを購入し、ソフト活用の講習会を開催した。c)東アジアにおける仏教と固有の宗教の交渉について、特に韓国・曹渓宗における「三聖」信仰について、また中国における文化大革命後の仏教寺院について研究した。 意義・重要性:本研究の目的は、伊勢神宮をかかえる伊勢市が近世から近代にかけて、神仏混淆の状態から神仏分離を経て神宮を中心とした神道に特化される経過を明らかにすることにある。より正確な内容の基礎データベースを構築するために伊勢市内を中心に現地調査を重ねたこと、それにより江戸時代の寺院の所在地がほぼ確定できたこと、引用・孫引きの形で撰述されてきた関係諸資料の再検討をしたことが本年度の研究のもっとも有意義な点である。
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