研究課題「近世朝鮮儒者の民族アイデンテティーをめぐる言説―東アジア諸地域との対比から」を遂行するため、次のような研究会、および調査活動を行った。平成23年5月4日 南通大学(中国浙江省)主催の東アジアセンター開設記念シンポジウムにおいて、中国・韓国・日本・ベトナムの研究者らとともに、今日の東アジア研究の課題と展望について討議した。 平成23年7月24日 台湾中央研究院(台北)主催の国際学術研究会「近代東亜城市社会群体与社会網」に参加、「15世紀朝鮮における宗教文化」を発表した。 9月24~28日韓国ソウルを訪れ、朴煕秉(ソウル大教授)と朝鮮士大夫の諸相について討議。また奎章閣などにおいて文献調査・収集を行った。11月30日 全南大学(韓国)主催の国際シンポジウム「白湖林悌の生と文学」において、「仲井健治先生の研究活動の再照明―白湖林悌を中心に」を発表した。12月24~28日 台湾南部の台南・高雄を中心に民俗宗教調査を訪れ、および研究資料を収集した。 3月21日~24日 韓国ソウルを訪れ、沈慶昊(高麗大教授)と朝鮮時代漢文学、および古典文学史の方法論ついて討議。また、大学図書館などにおいて資料を収集した。 この他、野崎は研究報告書として、15世紀の著名な士大夫である成俔の随筆集『慵斎叢話』を中心に、近世朝鮮士大夫社会の精神世界を描いた著作、および詳細な註釈を施した訳注を準備しており、前者に関しては予定原稿300枚のうち200枚近くまで書き上げ、後者に関しては基礎的な作業を完了。引き続きb完成をめざし鋭意、作業中である。
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