研究課題
基盤研究(C)
本研究は思想史的な観点から、シーア派とスンナ派の対立が頂点に達した10世紀以降、両派の他者認識がいかに変遷していったのかを分析し、両派の関係に関する正しい理解を一般に提供することを目指した。研究の結果、10世紀のイスマーイール派によるファーティマ朝樹立以降、スンナ派との対立は激化したものの、同朝の衰退とアッバース朝の滅亡の結果、シーア派主流派とスンナ派は思想的に接近していったこと、その一方、シーア派内極端派とスンナ派内保守派の間では他者否定の思想が純化していったことが判明した。
シーア派思想史