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2010 年度 実績報告書

自治国家は形容矛盾かとの問いの解明--シュタイン自治理論の研究を通して

研究課題

研究課題/領域番号 22520079
研究機関東洋大学

研究代表者

柴田 隆行  東洋大学, 社会学部, 教授 (20235576)

キーワード社会思想虫 / 自治 / シュタイン / グナイスト / 山縣有朋 / シュレスヴィヒ・ホルシュタイン
研究概要

自治と言えば地方自治を連想し、中央政府の出先機関と見なす発想は、立憲君主制の確立を目指す明治日本の政治家とりわけ山縣有朋と井上毅(両者の論争)の産物という側面が強いが、伊藤博文を筆頭とする明治期の政治家や官僚、学者たちの多くがその理論的根拠をウィーンのシュタインとベルリンのグナイストに求めた。その議論と法制化を詳細に追い、日本における自治制度の確立過程を調べた。
つぎに、日本に紹介されているシュタインならびにグナイストの講義録を研究し、彼らの見解が日本でどのように伝えられたかを明らかにした。たとえばグナイストはイギリスの自治制度をドイツ・プロイセンに根づかせようとしたが、彼は日本人に対してはむしろフランスの中央集権制度を見習うよう進言していた。
シュタインに関しては、シュタインと日本人とのあいだで交わされた書簡を徹底調査し、筆記体原文すべてをワープロ入力して冊子にまとめて公刊し、日本及びドイツの研究者から感謝・称讃された。
シュタインとグナイストの自治理論を研究し、彼らが、日本人に伝えていたこととは異なる、きわめて自由主義的な自治理論を本来は展開していることを明らかにした。
シュタインのそうした自治理解が、1848年前後のシュレスヴィヒ・ホルシュタイン両公国のデンマーク王国連合からの独立運動への参加のなかで得られたことを明らかにした。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] シュレスヴィヒ・ホルシュタインの歴史から考えるローレンツ・フォン・シュタインの<国家・社会・自治>2010

    • 著者名/発表者名
      柴田隆行
    • 雑誌名

      東洋大学社会学部紀要

      巻: 48-1 ページ: 31-42

  • [図書] ローレンツ・フォン・シュタインと日本人との往復書翰集2010

    • 著者名/発表者名
      柴田隆行
    • 総ページ数
      124
    • 出版者
      私家版(学内研究助成金刊行物)

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公開日: 2012-07-19  

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