研究課題
平成25年度には、フィレンツェ、ウフィツィ美術館素描室に所蔵される作品のなかから、ドメニコ・ティントレット作あるいはティントレット工房作とされる約30点の素描について詳細な検討を加え、従来の作者帰属に大幅な変更を加えた論考(英文)を刊行した。さらにこの論考を世界各国の関連する分野の研究者(大英博物館ヒューゴ・チャップマン、ウフィツィ美術館マルティア・ファイエッティ、パリ高等研究実習院ミシェル・オクマン、ウーディネ大学ステファニア・マゾン、ボストン美術館フレデリック・イルチマン等)に送付し、私的な意見交換ではあるが、有益な論考として評価を得ることができた。平成25年11月には、ヴェネツィアに調査旅行を行ない、チーニ財団美術史研究所およびパラッツォ・ドゥカーレ美術館にて調査を行ない、ドメニコ・ティントレットの制作活動に関する有益な知見を得、上記の論文に反映させた。また、平成26年3月に、ロンドン(ロンドン大学ウィット図書館)とパリ(フランス国立図書館)に調査旅行を行ない、ティントレットと密接な関係をもつ芸術家ランベルト・スストリスおよびアンドレア・スキアヴォーネに関する調査を行った。(当初予定よりも多い2度の外国調査旅行を実施したため、文献資料等物品費の支出は私費でまかない、旅費に支出をあてた。)これらの成果を、年間を通じてティントレット派素描のデータベースに入力を継続し、従来のカタログに含まれない作品を収載していくとともに、従来の作者帰属の変更を行なった。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Aspects of Problems in Western Art History
巻: vol. 11 ページ: 29-37
エル・グレコ再考 1541―2014年:研究の現状と諸問題
巻: 国際シンポジウム報告書 ページ: 29-34