世紀転換期の間メディア的考察:19-20世紀の転換期のアマチュア写真の受容形態について資料収集を行い、その他メディアと共通したメディアの受容のありかたについて比較検討を行った。 芸術写真論における間メディア的考察:また、シャーカフスキー等、モダニズム側での芸術的写真論の再検討を行い、その理論の諸要素を間メディア的次元へ転用する必要性を明らかにした。同時に、現在、芸術的写真の一例として議論の俎上にのせられることの多い杉本の写真を素材に、アナログ/デジタルという概念で語られる現在の芸術的写真論の問題点を析出した。 メディア論における写真論の考察: また今年度開催のメディア芸術祭関速の国際シンポジウム(「メディア芸術の地域性と普遍性」)において「メディア/芸術としての写真」という報告も行い、現在間メディア的位置にある写真が、昨今のメディア論から見てどのような位置に置かれているかも美学的・芸術学的に考察をした。マノヴィッチやクラウス、ベルティングやマーク・ハンセンらの議論を比較検討しながら、ブリコラージュ的実践、戦術的実践の概念の重要性を指摘した。
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