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2011 年度 実績報告書

間メディア論としての写真論

研究課題

研究課題/領域番号 22520099
研究機関神戸大学

研究代表者

前川 修  神戸大学, 人文学研究科, 准教授 (20300254)

キーワード間メディア / アマチュア写真 / ホラー
研究概要

・戦後期の写真についてのメディア論的考察:
20世紀半ばにおけるアマチュア写真論について、ブルデューを代表する社会学的写真論の再検討を行い、その理論的難点を抽出し、アラン・セクーラ等の写真論からのさらなる展開の可能性を提示した。
・間メディア的身体論の考察:写真映像に見られる身体論的次元を、写真と他のメディアを比較して考察を行なった。一方で古典的な精神分析的理論に抗する認知理論的な映像研究、とくに、しばしば批判されることの多いノエル・キャロルなどの映像理論を検討し、他方で同様に精神分析の批判から出発するドゥルージアンによる映像理論(たとえばステーヴン・シャヴィロ)の理論を検討した。また、その検討作業の一環として、漫画における恐怖の表象をフレーム内フレームというテクスト構造/受容構造に基づいて議論した。
・TVと写真の現象学的考察:写真が1950年代から60年代にかけてTVメディアとの結びつきのなかで帯びるにいたった特性(その時間および空間性、受容の様態)を、TVメディア論(メアリー・アン=ドーン、サミュエル・ウェーバーら)とつきあわせることで明らかにした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の研究目的にあった項目の検討を行い、そのうち二つほど(戦後期の写真についてのメティア論的考察、間メディア的身体論の考察)は研究成果として公表した。したがって順調に進展していると達成度を自己評価した。

今後の研究の推進方策

今後の研究計画として、TV映像論と写真映像論とのさらなる突き合わせ、それと合わせて、美学の立場からの映像身体論(ノエル・キャロル以降の認知論)が次の段階として必要である。また、派生的に生じた漫画身体論も、間メディア的観点から引き続き検討課題にしたい。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] ブルデュー『写真論』を読む2011

    • 著者名/発表者名
      前川修
    • 雑誌名

      Photographers' Gallery Press

      巻: No.10 ページ: 114-123

  • [雑誌論文] 楳図マンガとマンガの恐怖2011

    • 著者名/発表者名
      前川修
    • 雑誌名

      美術フォーラム21(醍醐書房)

      巻: 24号 ページ: 82-87

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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