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2011 年度 実績報告書

楽器の音を含めた保存方法の検討-無形の文化財の保存に資する有形文化財の保存方法-

研究課題

研究課題/領域番号 22520133
研究機関政策研究大学院大学

研究代表者

角 美弥子  政策研究大学院大学, 政策研究科, 研究助手 (50569829)

キーワード文化財 / 無形文化財 / 文化財政策 / 音楽学 / 芸術諸学 / 文化財保存
研究概要

今回の研究の主たる目的は、1)楽器の音を含めた適切な保存方法の提示、2)音のデータベース化の検討及びその手法の整理とし、平成22年度に調査した現状を鑑み、今年度はそこから具体的な手法を探ることを念頭に置いた。
各方面からの助言を得て、実際の演奏方法などもデータの一部に組み入れるなど、データ項目が増え、またそれに伴い必要作業や必要機器が増えた。当初は借用で間に合わせる予定であったが、今後のことも考慮し、機材を別途購入したため、データ取得方法について、より細かい検討が可能となった。
年度途中で試行用に使用している自分の楽器が研究室内の乾燥により破損した(接着部の剥離。本体に影響なし)。博物館等とは環境が絶対的に違うが、あってはならないことであり、このような不測の事態に対する危機管理についても検討が必要であることも再認識し、さらに手法の再検討が求められ、現在進行中である。
ヒアリングは未だに遅れ気味であるが、保存の現場の状況が理解でき、楽器の「保存」に関して、見当をつけていた以上に様々な角度からの検討、調査が必要であり、やむを得ない「妥協」も迫られることがありうることを再認識した。課題が明らかになると同時に増加しており、全般で当初の予定を進めていくと理想で終わる恐れがあるため、やはり試行を繰り返しながら手法を探る必要がある。なるべく多くの実験を繰り返し、より正確で確実な、なおかつ最大公約数となる方法を優先して求めていくこととする。
昨年度学会で発表したことは学会誌に掲載された。引き続き文書化を行い、報告書にまとめる予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

気候の関係で当該年度冬季にデータの収集を行う予定にしていたが、所属機関における担当作業量が予定より大幅に増えたため、この研究に充てる時間が削られてしまった。各地での実作業に行く時間がとれず、作業(データ取得方法)をまとめたのみに終わった。また、前述のとおり、途中で試行用楽器が破損してしまったため、修理期間が必要となった。

今後の研究の推進方策

平成24年度は、琵琶以外の楽器に対する調査を行う予定であったが、雛形としての精度を高めるため、琵琶に集中して研究を行うこととする。その上で、各項目が、他の楽器に対して適合するか否かを検討することとし、個々の楽器のデータは必ずしも取らないこととする。
また、上記のとおり、昨年度は後半に研究を行う予定だったが、当初の予定から大きく変わってしまったため、今年度はまだ予定のはっきりしている前期に研究を集中させ、時間を確保し、まず、上記の研究の基本となる目標をクリアした後に、発展的に研究を広げ、成果につなげることとする。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] 無形の文化財に係る有形文化財としての楽器の音を含めた保存の現状について2011

    • 著者名/発表者名
      角美弥子
    • 雑誌名

      音楽芸術マネジメント

      巻: 3 ページ: 157-164

    • 査読あり

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公開日: 2013-06-26  

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