研究課題/領域番号 |
22520138
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
中野 良寿 山口大学, 教育学部, 准教授 (30335781)
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研究分担者 |
福田 隆眞 山口大学, 教育学部, 教授 (00142761)
上原 一明 山口大学, 教育学部, 准教授 (40265038)
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キーワード | 地方都市 / 芸術・美術 / 地域活性化 / 再生可能エネルギー / アーティスト・イン・レジデンス / 東日本大震災 / イギリス / 金沢21世紀美術館 |
研究概要 |
本年度の調査研究について、国外では2011年9月にイギリスのロンドン、エジンバラ、オークニー諸島の三カ所での調査を行った。ロンドンではテートギャラリー、アーティストスタジオ、ブリティッシュカウンシルで、大都市におけるローカルな要素を持つ地域の活性化案や、美術館、アーティストスタジオの活動および、学校等の教育機関との連携内容などの調査を行った。エジンバラでは主にエジンバラ芸術大学のアード・スペース&ネイチャーの従来の領域をこえた教育内容および活動内容を調査した。またオークニー諸島では島を代表するギャラリーであるピア・アートセンターと、波力・潮力発電の実験をおこなっているEMEC(ヨーロピアン・マリーン・エナジー・センター)での調査をおこなった。ピア・アートセンターとEMECは隣接する立地条件にあるため、再生可能エネルギーをキーワードに両者、オープシな協力体制が見られた。 国内では地域における特筆すべき活動をしている金沢21世紀美術館での取り組みを取材した。特に、「金沢若者夢チャレンジ・アートプログラム」というアーティスト・イン・レジデンスプログラムではイギリスのピーター・マクドナルドの活動の最終展示を調査することができた。さらに東京にあるアーツ千代田3331では、2011年3月11日に起こった東日本大震災によって被災した現地との様々なプロジェクトを継続しており、東日本復興プロジェクト展の展示やトークイベントが行われていた。2012年3月にその内容についての取材を行った。また地域連携プログラムとして2012年2月には山口盆考という展覧会とシンポジウムをNPO YICAと共同でおこなった。 2010年に地域活性化のための美術連携事業の調査研究として始まった本研究は、当初は経済的に疲弊してきている地方都市における美術による地域活性化のモデルを模索するものであったが、2011年の東日本大震災により、経済的な問題のみならず、地域の環境やエネルギー資源の持続的な供給の問題など、アートと密接につながる自然環境、生活基盤の問題等も含めた上でのモデル立案を求められており、様々な要素を考慮したうえでの立案の意義が高まっているように思う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
調査が3月までおよんだため、紀要等への投稿がおくれたが、24年度にまとめて報告したい。
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画どおりすすめ、地方都市における美術(芸術)による地域活性化のモデル立案を主に、山口県をモデルとしたモデル案を提示したい。また、そのモデル案は他の地域でも応用可能なものを提示したい。
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