研究課題/領域番号 |
22520143
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研究機関 | 愛知県立芸術大学 |
研究代表者 |
井上 さつき 愛知県立芸術大学, 音楽学部, 教授 (10184251)
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研究分担者 |
松本 彰 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 教授 (50165875)
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キーワード | 音楽学 / アマチュア合唱運動 |
研究概要 |
平成23年度は事例研究を中心に行った。まず、6月25日、日本ドイツ学会のシンポジウム「音楽の国ドイツ?」において、松本は基調報告、井上はコメンテーターを務めた。男声合唱運動は当時の社会運動の中でも重要な意味をもつものであり、シンポジウムの内容と密接に関係していた。 国外の調査としては、9月に井上と松本はヨーロッパに赴き、それぞれ調査を進めたが、その期間内の9月14日から18日まで、共同でドイツでの調査を実施した。具体的には、ドレスデン、フライベルク、マルクノイキルヒェン、ハレ、ライプツィヒを訪れ、文書館や楽器博物館などを調査・見学した。ドレスデンでは、1865年の第一回同盟祭に関係する場所を調査し、市文書館において、「第1回ドイツ合唱同盟祭」に関する一次資料を収集することができた。マルクノイキルヒェン楽器博物館は、楽器製作の歴史と深く関係したところで、その点について館長と懇談することができ、ドイツ市民の音楽史を考察する上で、多くの示唆を得た。その後、井上は、パリの国立図書館やギメ美術館図書室で、合唱運動に関する文献を収集した。松本はライプツィヒなどで資料の収集を行った。 松本は、12月10日、早稲田大学西洋史研究会において、「19世紀ドイツにおける市民社会、国民国家、戦争-協会運動と三重のナショナリズム」を発表し、そのなかで男声合唱協会の重要性について論じた。 年度後半、井上は日本における合唱運動についての事例研究に着手し、日本に合唱コンクールを根付かせた小松耕輔について、上野学園音楽大学に所蔵されている小松文庫の資料を中心に調査を開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
全体として、当初考えていたスケジュールに沿って、研究が進んでいるといえる。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は当初計画していたとおり、昨年までの調査をまとめ、国内での補充調査を実施する。それらの成果を含めて、最終的な研究の総まとめを行う。
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