研究課題/領域番号 |
22520164
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研究機関 | 神戸女学院大学 |
研究代表者 |
津上 智実 神戸女学院大学, 音楽学部, 教授 (20212053)
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研究分担者 |
武石 みどり 東京音楽大学, 音楽学部, 教授 (70192630)
塩津 洋子 大阪音楽大学, 音楽博物館, 准教授 (80140177)
橋本 久美子 東京芸術大学, 音楽学部, 講師 (70401495)
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キーワード | ピアニスト / ピアノ / 小倉末子 / 久野久子 / 東京音楽学校 |
研究概要 |
本研究は、「ピアニスト」という存在の出現とその音楽史的、社会史的意義の解明を目的とする。その際、「ピアニスト」を軸として、一般の音楽教育と音楽専門教育との相互関係、職業音楽家と音楽愛好家、また外来音楽家と国産音楽家の問題などを考慮に入れることによって、明治末期から昭和初期にいたる音楽文化のあり方を複合的に理解することをめざすものである。 そこで、本研究の初年度に当たる今年度、研究メンバー7名は本研究の計画に沿って各々国内および国外での基礎的な史料調査を実施した。その成果発表と議論のため、小倉末子研究会を2回開催した。第1回(2010年10月24日)では、辻裕美「久野久子調査報告」、塩津洋子「明治期神戸の洋琴事情」、津上智実「小倉末子のアメリカでの演奏活動」の3本、第2回(2011年1月23日)では、武石みどり「明治期のピアノ製造」、藤本寛子「明治期の東京における興行制度と演奏会」、橋本久美子「昭和10年代の東京音楽学校と小倉末」、津上智実「大正期の女性運動とピアニスト」の4本、計7本の発表を行った。これによって明治期から昭和初期に及ぶピアノならびにピアニストを巡る歴史的状況の一端が明らかになると共に、新たな課題も浮上してきた。 本研究の発展形の一つとして、平成23年秋に「ピアニスト小倉末子と東京音楽学校展」を開催する計画が平成22年秋に持ち上がり、すでに実施に向けて動き出している。本研究の成果は、この展示とその関連出版物において活用される計画となっている。なお、今年度の研究成果の一部は、図書1冊、論文7本、学会発表1本という形で公表されたことを付記する。
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