• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2012 年度 実績報告書

X線CTによる九州所在彫像重要作例の三次元的解析

研究課題

研究課題/領域番号 22520167
研究機関福岡県立アジア文化交流センター

研究代表者

楠井 隆志  福岡県立アジア文化交流センター, 展示課, 研究員 (30446885)

研究期間 (年度) 2010-04-01 – 2013-03-31
キーワードX線CT / X-ray CT scanner / 三次元画像 / 黄檗 / 像内納入品 / 金属製五臓 / 舎利 / 水晶製五輪塔
研究概要

平成24年度は「研究成果の公開と社会への還元」という点でさまざまな実績を収めることが出来た。
平成23年度調査研究で成果のあった長崎・聖福寺釈迦如来坐像の納入品については、熱溶解積層式三次元プリンタによる立体模型を作成し、同年5月から7月にかけて開催した「日本医術のことはじめ-まじないから解体新書-」展で展示した。三次元データから制作した立体模型を展示に活用するという、新たな展示手法としても注目された。
今年度も長崎黄檗宗寺院の彫像調査が進展した。長崎・興福寺の釈迦如来坐像のX線CT調査では、金属製五臓をはじめとする納入品が確認できた。五臓の一部材からは寄進者名が判読された。巻子本には金属質の粉を膠で溶いた顔料で書いたとみられる『般若波羅密多心経』および明・萬暦44年(1616)の年号と結縁交名が確認された。寄進者一族の本貫地とおもわれる「浙江嘉興府」とも記されていた。これらのことから、本像は萬暦44年(1616)に浙江省嘉興府付近で制作され、17世紀における活発な日中交流により長崎に請来されたものと推測された。今後、中国彫刻史研究における明代彫像の基準作例としても注目を集めることになるだろう。
九州国立博物館内の文化財保存修復施設において修復が実施された文化財2件について、所蔵者および修理施工者の理解と協力を得て、調査を実施した。大分・円福寺所蔵の大応国師坐像については、修理完了後、九州国立博物館文化交流展示において修理完成記念特別公開を開催し、像本躰や納入品の展示とともにX線CT調査の成果をグラフィックパネルで紹介した。『大分県豊後高田市・円福寺木造大応国師坐像修理報告書』を編集し、納入品の詳細に関する調査成果を公表した。また、福岡・油山観音所蔵の重要文化財・聖観音坐像の修理にともなう調査では、頭部内に巻子1巻と切り紙1通が納入されていることを確認した。修理完了後に修理完成記念特別公開を実施し、像本躰の展示とともにX線CT調査の成果をグラフィックパネルで紹介した。
以上の調査結果については、順次、九州国立博物館紀要『東風西声』等に九州所在彫像の基礎資料として広く公開してゆくつもりである。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 図書 (1件)

  • [図書] 大分県豊後高田市・円福寺 木造大応国師坐像 修理報告書2013

    • 著者名/発表者名
      九州国立博物館
    • 総ページ数
      116
    • 出版者
      九州国立博物館

URL: 

公開日: 2014-07-16  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi