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2011 年度 実績報告書

『万葉集』の語彙の表現論的研究

研究課題

研究課題/領域番号 22520170
研究機関東京大学

研究代表者

多田 一臣  東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (50092268)

キーワード万葉集 / 万葉語彙 / 万葉語誌
研究概要

本年度は、当初の目的である『万葉集全解』全七巻の電子データ化を九割方完成させた。もっともこの電子データは、『万葉集全解』が商業出版物ではないため一般公開はできず、その完成部分を、以下に記述する万葉語誌研究会のメンバーにのみ配布した。昨年度から構築している万葉語誌研究会を主催し、本格的な『万葉集辞典』作成の前段階として『万葉語誌』を公刊する準備を進めた。東京大学国文学研究室において研究会を四度ほどおこない、基礎語彙として200語を選び、それらにランク付けを行った。協力者と合同で、執筆分担を定め、執筆方針の確認もおこなった。またそれとともに、万葉語誌をめぐる研究発表・討論を行った。なお、『万葉語誌』は、本科学研究費の成果として、来年度末に筑摩書房から刊行することが決定している。
本年度は、本科学研究費の成果を利用して、東方学会の第56回国際東方学者会議において、「注釈の方法意識-『万葉集』の注釈を通じて」と題する研究発表を行った。また昨年度研究発表を行った「古代の「音」と「言」」(「古代日本人の時間意識」)が、それぞれ『古事記年報』(古事記学会)『文学・語学』(全国大学国語国文学会)に学術論文として掲載された。また岩波書店刊の雑誌『文学』の特集「古事記をよむ」を編集し、座談会「古事記研究の新段階」の司会をつとめるほか学術論文「歌謡の表現の特性」を発表し、古代歌謡の表現性を重視した新たな読解を試みるべきことを提言した。また、本科学研究費を利用して、上代文学会大会(別府大学)、風土記研究会大会(宮崎看護大学)、日本歌謡学会秋季大会(関西外国語大学)に参加し、質疑・討論に加わり、有益な成果を得た。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の目的のうち、基礎資料である『万葉集全解』の電子データ化がほぼ完成したこと。また当初予定した本格的な『万葉集辞典』の作成までには至らないものの、その前段階である『万葉語誌』の刊行の目途がついたことがその理由になる

今後の研究の推進方策

今後は、万葉語誌研究会をさらに継続して開催し、『万葉語誌』を研究成果として公刊する。また『万葉集全解』の完全な電子データ化をはかるとともに、やや不充分であった『万葉集』の風土的側面の記述の充実をはかりたいと考えている。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 歌謡の表現の特性2012

    • 著者名/発表者名
      多田一臣
    • 雑誌名

      文学

      巻: 13巻1号 ページ: 35-48

  • [雑誌論文] 古代の「言」と「音」2011

    • 著者名/発表者名
      多田一臣
    • 雑誌名

      古事記年報

      巻: 53号 ページ: 1-19

  • [雑誌論文] 古代日本人の時間意識2011

    • 著者名/発表者名
      多田一臣
    • 雑誌名

      文学・語学

      巻: 200号 ページ: 25-36

  • [学会発表] 注釈の方法意識-『万葉集』の注釈を通じて2011

    • 著者名/発表者名
      多田一臣
    • 学会等名
      第56回国際東方学者会議
    • 発表場所
      日本教育会館(招待講演)
    • 年月日
      2011-05-20

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公開日: 2013-06-26  

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