研究課題/領域番号 |
22520173
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
杉山 欣也 金沢大学, 歴史言語文化学系, 准教授 (90547077)
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研究分担者 |
竹本 寛秋 北海道大学, 高等教育推進機構, 特任助教 (20552144)
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キーワード | 時事新報 / 文芸欄 / 目録 |
研究概要 |
平成23年度に於いては、研究代表者を中心に「時事新報」昭和2年期を中心にデータを採取し、広く文化に関連する詳細な目録作りに取り組んだ。 従来の「時事新報」に関係する目録が文芸欄を中心とした内容であったのに対し、本研究に於いてはすべての記事に研究代表者が目を通し、文芸欄以外に於いても関連すると判断される記事を確認し採録したことが大きな特徴である。また、内容的にも文芸に偏ることなく、広く文化一般を紹介する記事、たとえば映画や家庭、女性等に関連する記事を採録した。また広告も出版と映画を中心に採録し、昭和2年の前半期に関する詳細なデータベースを作成した。これらは本研究の大きな特色であり、成果といえる。これらは、謝金を用いてアルバイトを活用することによって可能となったものである。 また、研究分担者に於いてはこの詳細な目録を活用するためのデータベースの開発に取り組み、今後の活用の幅を広めた。その成果の一部は「「時事新報」文化関連記事目録一九二七(昭和2)年一月」(『金沢大学歴史言語文化学系論集言語・文学篇』4、2012.3、著者:杉山欣也・竹本寛秋)に発表した。本目録は1ヶ月分にすぎないが、その際に構築したデータベースやノウハウのフィードバックが見込まれ、次年度には少なくとも一年分以上の公開が確実に行えることがわかった。 なお研究代表者に於いては、ここで蓄積した知識を基に、昭和二年に起こった文化現象である「円本ブーム」に関する論文を執筆した(現在編集中)ことを申し添える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
震災に伴う交付額決定時期の遅れと、謝金を用いたアルバイト従事者の練度を高めるために予定より多くの時間を費やした。また、計画の進展に伴い、データの採録範囲を拡げたため、やや遅れ気味となった。
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今後の研究の推進方策 |
昭和二年一月分のデータを雑誌論文の形で公開したことから、データベースの構築に関するノウハウの蓄積があった。またアルバイトの練度も上がっているため、少なくとも昭和二年1年分以上のデータを構築し、発表することが可能となると予想される。
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