本研究では、『徒然草』という中世文学作品の古典化をめぐる諸相について、文献学、時代相、注釈的観点、近代的理解の把握、国際的日本文学研究の視点という五つの観点から多角的な分析を行い、併せて関連作品の『方丈記』や『枕草子』についての研究も推進した。成果公表として、国内外の研究集会や国際学会での口頭発表・講演等を行い、学術誌で論文化するとともに、公開講演会や新聞、ラジオ出演等を通じて、一般社会への研究成果還元も試みた。研究の総体は編著『中世の随筆』に集約した。最新英語論文の翻訳・紹介にも取り組み、同上書に収録した。
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