研究課題
堂上派歌人が宗匠をどのような観点から選び、あるいは交代するのかという問題を見極めるため、主として幕臣や譜代大名を調査の対象として資料の収集と分析を行った。これまでの調査から、幕臣においては権力の中枢に誰が座っているか、その権力者の志向がどれほど家臣団に影響を与えるかという点について、特に田沼意次から松平定信への政権交代がかなり大きな転機を形成したことが予想できていたが、日野資枝の定信への働きかけが周辺の大名にも波及していることの資料的裏付けがある程度可能になったように思う。
2: おおむね順調に進展している
予定していた調査対象が、天理図書館の松平定信関係資料を除いて概ね達成できたことが挙げられる。
天理図書館の松平定信関係資料の総合的調査が不可欠である。定信と日野資枝との関係をもう少し具体的に知り得る資料の収集を期し、それをもとに研究の総括に向かいたい。
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鯉城往来
巻: 15 ページ: 131-146
広島大学大学院文学研究科論集
巻: 72 ページ: 39-55