作品研究:幕末の漢詩人として知られる杉浦誠の詩集『梅潭詩鈔』活字本、上下巻の内、下巻の313首までを読解した。毎週2回、研究分担者、研究協力者とともに研究会を開き、訓読、語釈、和訳及び作品研究についての討論を行った。作品全体の半分近くを検討したことになり、大きな成果が上がったと考える。 作品に描かれている伊豆の調査を行った。足跡を跡づけ、実証的な研究を行った。 資料収集:おもに国文学資料館で資料を収集した。『梅潭詩鈔』手抄本(2000余首)を複写し、さらに、周辺の資料を複写した。文学関係の資料はおよそ収集できたと思う。 資料整理:春に『梅潭詩鈔』活字本をデータベース化した。ワードに整理したので、作品読解の資料としたほかに、検索して作品研究にも用いることができた。 また、秋には『梅潭詩鈔』手抄本をデータベース化した。作品検索によって、研究が一段と進んだ。この二点のデータベースは、今後の研究に多大な貢献をすると考えられる。後生の研究者に資するために、将来は公開することを考えている。 国際的発信:日本漢詩及び『梅潭詩鈔』を国際的に発信するために、2回にわたって中国で行われた国際学会で報告をした。日本に漢詩があること自体が国際的には知られていないので、有意義であったと考える。
|