研究課題/領域番号 |
22520193
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研究機関 | 東京成徳大学 |
研究代表者 |
庄司 達也 東京成徳大学, 人文学部, 教授 (60275998)
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研究分担者 |
須藤 宏明 盛岡大学, 文学部, 教授 (60275584)
山岸 郁子 日本大学, 経済学部, 准教授 (90256785)
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キーワード | 日本近代文学 / 出版メディア / 改造社 / ジャーナリズム / 文壇 / 読者 / 大衆 |
研究概要 |
本研究課題は、<出版ジャーナリズム>、<作家>、<読者>としての<大衆>の3者の間に展開される関係性を明らかにするために、特に出版ジャーナリズムが行った各種の宣伝活動の実態について、各地での調査を継続してきた。今年度は、これまでの調査結果を踏まえ、より精緻な且つ巨視的な観点からその実態を明らかとすることを目指した。具体的には、これまでの調査は全国各地でその土地(地域)に関わる実態を把握することを目指して行われたものであったが、全国的な規模で韻文関連の資料を多く収集し公開をしている日本現代詩歌文学館(岩手県北上市)の協力を得ることで、詩歌に関連する総括的な形での調査を2月に行うことができた。 定期的に開催している勉強会は、3月11日に起こった東日本大震災の影響で上半期は実施することが困難となり、当初に予定した通りには行えなかったが、下半期に持った勉強会では、今後に出版を計画している本研究課題にかかわる研究論文集について活発な議論を重ねた。また、外部講師を招聘して行う勉強会についても今年度は実施できなかったが、次年度にはこれまでと同様に広く公開して行うべくその人選についての検討をはじめており、勉強会では候補者それぞれのこれまでの業績について提案者より報告を受け、メンバー間で情報を共有した。 次年度は、本研究課題の総括の年となる。これまでの研究活動とその成果を踏まえたシンポジウムの開催や書籍の刊行、論文の発表などによる効果的な発信、利用を積極的に計画し行ってゆきたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
東日本大震災で被災したメンバーが複数おり、その影響もあって上半期については活発な研究活動を行うことが困難な状況であったが、各人の研究活動に関わる状況の回復とそれにともなっての積極的な活動への参加により、下半期に於いては各自が設定した研究課題への取り組みを中心とした活動が展開できた。
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今後の研究の推進方策 |
本研究課題に於ける研究活動の成果を書籍という形で公開すべく、研究論文集の刊行を目指している。巻末の「付録」としてこれまでに収集してきた膨大な資料の整理と分析の結果をまとめ収載することにしており、その準備を進めている。論文集の順調な刊行を果たすためにはメンバーによる研究活動の成果を束ねてゆく必要があるが、定期的に行う勉強会を通じて情報の共有化を図ってゆきたい。また、外部の講師を積極的に招聘しその優れた知見を摂取することで、全体の研究の一層の深化を期待したい。
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