研究課題/領域番号 |
22520194
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研究機関 | 青山学院大学 |
研究代表者 |
片山 宏行 青山学院大学, 文学部, 教授 (60233756)
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研究分担者 |
庄司 達也 東京成徳大学, 人文学部, 准教授 (60275998)
掛野 剛史 埼玉学園大学, 人間学部, 准教授 (00453465)
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キーワード | 日本近代文学 / 薄田泣薫 / 畫誌 / ジャーナリズム / 文壇 |
研究概要 |
本年度は研究全体の基礎固めを行う年となった。まず薄田泣童文庫資料のうち、泣董宛書簡の翻刻作業を中心的に進めた。担当を割り当て、翻刻を進めると同時に周辺事項の調査を行い、資料の学術的位置付けをはかった。その結果、多くの作家の研究史上重要な書簡が見つかり、次年度以降、専門研究者を交えて本格的な調査、報告を行う目途が立った。なおこれら書簡のうち、徳田秋声書簡については、現存するものでは最も古いものであり、「北國新聞」 2010年9月27日付け朝刊で、その存在と薄田泣董文庫の存在が報道され、本研究が広く知られることとなった。 次年度以降は、さらなる発信を図るとともに、書簡の学術的な意義や、位置付けをさらに考察し、資料の全体像を明らかにしていくことで、本文庫資料が有する多岐にわたる研究上の可能性を引き出すことに努めていく。 また薄田泣董に関する書籍、資料も収集し、泣童の文学的業績や、ジャーナリストとしての業績についても知見を広めた。 さらに本年度は、就実大学吉備地方文化研究所の協力を得て、8割程度の量の資料撮影が終了し、デジタルデータとして完成している。次年度以降はこの成果を活用し研究の効率化を図るとともに、効果的な発信、利用についても検討していきたい。 なお、平成23年2月、3月に2度にわたり倉敷市に赴き、資料を実見して調査を行うとともに、倉敷市文化振興課や薄田泣董顕彰会などとの会合を開き、ここまでの成果を確認し合い、次年度以降のいっそうの連携をとることを確認した。
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