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2010 年度 実績報告書

軍記文学における〈中央〉と〈地方〉に関する多角的研究

研究課題

研究課題/領域番号 22520197
研究機関清泉女子大学

研究代表者

清水 由美子  清泉女子大学, 文学部, 講師 (40424303)

研究分担者 小番 達  清泉女子大学, 文学部, 講師 (30424302)
栃木 孝惟  千葉大学, その他, 名誉教授 (10008956)
姫野 敦子  清泉女子大学, 文学部, 講師 (90334268)
キーワード国文学 / 軍記文学 / 地方史 / 平家物語 / 保元・平治 / 初期軍記 / 承久記 / 日本中世芸能・歌謡
研究概要

10月下旬の追加採択決定を受け、申請した研究実施計画を見直し、22年度末までに有効な成果を挙げることをめざし、テーマを「軍記文学における南海道」に絞って検討を開始した。11月26日、12月10日の月例研究会においては、初期軍記から承久記までで描かれる南海道関連記事の抜き出し、問題点の抽出を分担して行い、また、公開研究会で発表を依頼した元三重県立桑名西高校教諭の谷口耕一氏のこれまでの研究について確認し、当日有益な議論をかわす準備とした。1月30日には、紀州の湯浅氏についての研究実績を持つ谷口氏を招いて公開研究会を開催し、外部からの参加者6名を加えて、活発な議論をかわすことができた。
そうした活動の中で、浮かび上がってきた点を数点述べる。1、南海道に関しては、そこに含まれる高野山・熊野山が物語世界でも非常に大きな位置を占めていること、また特に高野山については延慶本平家物語の成立圏と目されることなどが従来注目されてきたが、ここを基盤とする宗教者の交流が広く関東にまで及んでおり、京都と鎌倉を結ぶそうしたネットワークの拠点としても重要である。2、そうした宗教者の中には、武士出身の者も多く、彼らの行動の背景に政治的な思惑を考えることが、物語の読みに大きく関わってくる。3、そのようなネットワークを考えるときには、関東の武士の動向を押さえることが重要であり、それについて、初期軍記から承久記までを通して俯瞰的に眺めるという、この研究にあたって当初考えた方法が有効である。
以上のような実績を踏まえ、次年度以降の研究に取りかかりたい。半年間ではあったが、これまであまりまとめて取り上げられることのなかった南海道の描かれ方に注目して、そこにまつわる記事の重要性を認識でき、かつ23年度以降取り扱う東海道・東山道・西海道について考える方法を確認できたのは大きいと考える。

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公開日: 2012-07-19   更新日: 2014-05-20  

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