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2010 年度 実績報告書

戦後文学芸術運動の基礎的研究――1950~60年代の新日本文学会を中心に――

研究課題

研究課題/領域番号 22520198
研究機関二松学舎大学

研究代表者

山口 直孝  二松学舎大学, 二松学舍大学文学部, 教授 (30297741)

キーワード新日本文学会 / 大西巨人 / 武并昭夫 / 湯地朝雄 / 花田清輝 / 『神聖喜劇』 / スカラベ-サクレ論争 / 政治と文学
研究概要

平成22年度は、『新日本文学』の本誌・関連紙誌の収集をまず行った。特に復刻縮刷版以降(500号)以降の号を揃えることに力を注ぎ、数冊を除き、集めることができた。総目次を作る条件は整ったので、今後は特に1950年代・60年代を中心に、詳細な索引を作るようにしたい。
関係者の聞き書きについては、大西巨人・武井昭夫・湯地朝雄氏に話をうかがった。新日本文学会に関する話はもちろんのこと、現代芸術の会や綜合文化協会、あるいは戦後の学生運動に関する話を聞くことができた。聞き書きは、順次、文書化し、発表あるいは冊子化する予定である。その第一弾として、「大西巨人氏に聞く--「闘争」としての「記録」」を発表した。このインタビューは、『近代文学』同人から新日本文学会の事務局常任であったまでの時期を中心としたものであり、『近代文学』脱退の理由など、これまで明らかでなかったことについての言及を数多く含んでいる。大西巨人研究については、「大西巨人・連環体長篇小説考--『地獄変相奏鳴曲』・『神聖喜劇』における回帰の弁証法」をまとめた。太郎・瑞枝という一組の夫婦が登場する作品を通覧して、戦後社会に対する批判意識があることを指摘した。大西文芸が60年代以降の時期を扱わないのは、経済成長重視の風潮を潔しとしないためであろう。『神聖喜劇』の『新日本文学』における連載状況にも留意し、雑誌収集の成果を反映させた。文学論争については、スカラベ-サクレ論争について、経過を踏まえて歴史的意義を問う発表を行った。これについては、次年度にも文章化も予定している。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] <インタビュー>大西巨人氏に聞-「闘争」としての「記録」2011

    • 著者名/発表者名
      飯島聡・鎌田哲哉・山口直孝
    • 雑誌名

      人文論叢

      巻: 86 ページ: 11-55

  • [雑誌論文] 大西巨人・連環体長篇小説考-『地獄変相奏鳴曲』・『神聖喜劇』における回帰の弁証法2010

    • 著者名/発表者名
      山口直孝
    • 雑誌名

      日本文学

      巻: 59-11 ページ: 2-13

    • 査読あり
  • [学会発表] 戦争/戦後責任論争としてのスカラベーサクレ論争2010

    • 著者名/発表者名
      山口直孝
    • 学会等名
      HOWS戦後文学ゼミナール
    • 発表場所
      本郷さかえビル2Fホール
    • 年月日
      2010-12-19

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公開日: 2012-07-19  

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