• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2012 年度 実績報告書

日本文学上に現れた興福寺常楽会の研究

研究課題

研究課題/領域番号 22520199
研究機関二松学舎大学

研究代表者

磯 水絵  二松學舍大學, 文学部, 教授 (60130407)

研究期間 (年度) 2010-04-01 – 2013-03-31
キーワード興福寺 / 常楽会 / 四天王寺聖霊会 / 法隆寺お会式 / 四箇法要 / 舞楽法要 / 『古今著聞集』 / 『興福寺典籍文書目録』
研究概要

本年度は、最終年度であったが、結局、明確になったことは、明治期の廃仏毀釈運動の中で興福寺がいかに壊滅的な打撃を受けたか、その古記録・文書類が散逸したかということであり、大日本仏教全書に収載された興福寺流記等が、案外に新しく、説話伝承に拠っているかという事であった。文学尉においてもその具体的儀式内容は管見に及ばなかった。そこで、常楽会と同じ旧暦2月15日の涅槃会だけでなく、広く伎楽や舞楽の関わる伝統行事に目を向けて、それらを調査する形式を採らざるを得なかった。というのも、昨年度調査に赴いた高野山金剛峰寺の常楽会もすでに四座法要の形式に倣っていたように、いずれの儀式も四座法要以前の形式を保ってはいなかったからである。そこで、6月2日には国立劇場に伎楽の、23日には同所に民俗芸能の公演という具合に、その片鱗を窺うよすがを求めて行ったり、7月には京都に東洋音楽学会の関係発表を、東大寺ミュージアムに永村眞氏の講演を、という具合に手掛かりを求めて彷徨した。また、9月には東大寺ミュージアムで開催された古文書学会の興福寺関係文献の発表に足を伸ばしたが、結局、一番示唆的であったのは、3月の聖徳太子に対する法要である法隆寺のお会式であった。その規模は当時とはまったく異なる、小さな行事ではあったが、そこに古式を見たように思う。そこで、今後は、単なる絵画資料では時代が判定しにくいから、石像や建造物に残る図像資料、法隆寺お会式のように観光化していない儀式を丹念に掘り起こしていくことが重要であると推察される。最終年度の実績報告としては、はなはだ心もとないものとなったが、今後も研究を継続し、蒐集書籍をさらに熟読し、なんとか、四座講式以前の儀式を掘り起こしていってみたい。そのためには、さらに九州地方や奈良県の古寺の行事の掘り起しが必要なように思う。

現在までの達成度 (区分)
理由

24年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

24年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] 『方丈記』の世界―長明、南へ―2012

    • 著者名/発表者名
      磯水絵
    • 雑誌名

      國語と國文学 中世の随筆・日記

      巻: 第89巻第5号 ページ: 16~29

  • [雑誌論文] 長明と管絃2012

    • 著者名/発表者名
      磯水絵
    • 雑誌名

      鴨長明とその時代 方丈記 800年記念

      巻: 1巻 ページ: 96~104

  • [雑誌論文] 『発心集』に浄土信仰の有り様を見る2012

    • 著者名/発表者名
      磯水絵
    • 雑誌名

      鴨長明 研究と資料

      巻: 第1輯 ページ: 3~15

URL: 

公開日: 2014-07-24  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi