明の朱舜水が日本で伝授した儒教儀礼が水戸藩の彰考館や柳河藩関係者らにいかなる影響を与えたかを、祭祀を中心に明らかにした。この成果を臺灣大學のシンポジウムで発表し、単行本化された。 九州地方の戦国時代を扱った軍書『西国盛衰記』『九州諸将軍記』の諸本調査から板木の修訂過程を明らかにし、軍書の刊行と出版規制につき考察した。後者が許蘭雪軒・李玉峰といった朝鮮女流詩人の作品を取り上げ、蘭雪詩集の和刻本出版のきっかけとなったことを考察し、この成果をソウル大学校のシンポジウムで発表した。 写本『貴言為孝記』の諸本調査から『東照宮御遺訓』の異本が増補される様相と、日本の海防問題が反映している点を考察した。
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