当該年度において、研究実績は以下の通りである。 1,データベース構築作業(8月26日~30日、2月3日~5日、3月4日~10日、渡瀬淳子・大坪舞・前田担当)。これによって、『実隆公記』(16世紀分)を中心とする書物の移動データベースのチェックを終えた。 2,研究会の実施(5月25日、11月2日)。内容は、データベース構築の進捗状況報告(渡瀬淳子)、研究発表(松本大・松本麻子)、『花鳥余情』講読(前田・渡瀬淳子)、その他である。 3,文献調査(2月12日~14日、熊本大学付属図書館寄託永青文庫、参加者 内田澪子・松本麻子・岡﨑真紀子・渡瀬淳子・松本大・大坪舞・前田) 4,本研究の実績について記しておきたい。本来、本研究は、南北朝以降元和元年までの書物の移動データベースの作成をその目的としたが、『実隆公記』のデータ量が予想していたよりも多かったために、『実隆公記』16世紀分およびその他の資料によるデータに留まった。しかし、それでも書物の移動データが73頁、伝授・講義のデータが19頁、データ総数が約3500を数えたことは室町時代の文化を探る上で貴重な貢献をしたものと自負ししている。
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