松代藩六代藩主の真田幸弘(真田宝物館-長野県長野市に襲蔵)の点取俳諧資料と幸弘関連の公的日記のデータ化をめざして、その端緒についた。 俳諧連句は、総数約九万句のうち、1万3千句を翻刻、データ化した。日記(御側御納戸日記)は、約3年分の翻刻データを点検した。 また、2010真田フォーラムを8月19日(木)「大名俳諧と真田幸弘の俳諧」のテーマで講演会とディスカッション、20日(金)「真田家伝来の典籍」のテーマで講演会を開催、国文学研究資料館に伝来する真田家の蔵書目録の分析を通じて、文藝資料がどのように伝えられてきたかを研究、21日(土)真田家の菩提寺・長国寺踏査、この3日間連続して、地域に開かれた研究報告会を実施した。このフォーラムは、全国各地の研究者や学芸員、大学院生が参集し、長野市を中心とした市民との交流を経て、伝えるべき文化遺産についての啓蒙活動ともなりえた。 こうした市民への啓蒙に加え、9月25日(土)には、研究代表者の玉城が和漢比較文学会で「松代藩六代藩主真田幸弘の文藝-漢詩・和歌・俳諧-」のタイトルで講演し、今後大名文藝を研究して行くことで、新しい文学史が見えてくる可能性を示唆した。 これらの成果を小冊子にまとめた他、紀要を中心とした研究誌に掲載した。
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