地域住民の主催により近世から近代にかけて行われていた能楽興行について、文献資料の調査と地域の方へのインタビューを行った。調査の対象とした地域は、愛知県名古屋市、同豊橋市、岐阜県岐阜市、同大垣市、三重県桑名市などである。その結果、能役者と地域住民の間の師弟関係や、興行の際の役者の招致について、明らかにすることができた。例えば、豊橋では、旧吉田藩の武士と町人が共演し、伝書を共有していたことがわかった。また、木曽三川の西側では、交通や経済の面でつながる上方(京都・大阪)からの影響が大きいとの新知見を得た。
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