• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2010 年度 実績報告書

アメリカ女性雑誌における「自然」と「環境」についての言説研究

研究課題

研究課題/領域番号 22520222
研究機関岩手大学

研究代表者

秋田 淳子  岩手大学, 人文社会科学部, 講師 (10251688)

キーワードアメリカ小説 / 女性研究 / 雑誌研究 / 環境問題 / アメリカ研究 / アメリカ文学
研究概要

本年は、『レディーズ・ホーム・ジャーナル』を研究対象に据え、自然や環境に関する言説を抽出して考察した。その結果、1898年以前に同誌にみられた自然の表象は、1899年の過渡期を経、1900年以降のものとは大きく違って描写されていることを指摘した。広告から小説作品における自然の表象を考察することをとおし、保守的な女性像を提唱する時代には、美しい花を咲かせるガーデニングをすることで自然との接触を勧めていた同誌の言説は、国家の発展や、女性の社会への進出に伴って変化していく。つまり、理想のガーデンの住人としての女性像を強調し、美しい花が象徴していた限定された空間に存在する自然の表象が、時代の推移とともに、象徴性を消失し、より現実的な性質を提示するようになっていく。例えば、西部という辺境地帯の描写や、猛威を振るう自然の力などの、人知を越えた一様相を提示するようになっていく。自然の表象を操作し、女性読者の空間意識を拡大することにより、アメリカが本格的に帝国主義政策へ乗り出していく19世紀末に、それに加担する国民を養成する媒体となった可能性を指摘した。
以上のように、「自然」の表象を考察することをとおし、アメリカ女性大衆雑誌は、当時の女性読者の娯楽のための一媒体として存在するのではなく、また、多くの読者を中心とする女性文化を形成する主力となっただけでもなく、「国民」としての認識を養うという政治的な役をもっていたという一面を指摘した。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 19世紀末のThe Ladies' Home Journalにおける「自然」の表象についての-考察2011

    • 著者名/発表者名
      秋田淳子
    • 雑誌名

      東北アメリカ文学研究

      巻: 34 ページ: 17-30

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 『レディーズ・ホーム・ジャーナル』における「アメリカン・ヒロイン」についての-考察2011

    • 著者名/発表者名
      秋田淳子
    • 雑誌名

      「女性・ヒロイン・社会」国際シンポジウム成果報告論文集(岩手大学人文社会科学部)

      ページ: 159-167

  • [学会発表] The Ladies' Hone Journalにおける「自然」の表象についての-考察2010

    • 著者名/発表者名
      秋田淳子
    • 学会等名
      東北英文学会第65回大会
    • 発表場所
      仙台白百合女子大学
    • 年月日
      2010-09-25
  • [学会発表] 『レディーズ・ホーム・ジャーナル』における「アメリカン・ヒロイン」についての-考察2010

    • 著者名/発表者名
      秋田淳子
    • 学会等名
      岩手大学人文社会科学部主催国際シンポジウム
    • 発表場所
      岩手大学
    • 年月日
      2010-09-05

URL: 

公開日: 2012-07-19  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi