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2010 年度 実績報告書

マーク・トウェインと世紀転換期(1890-1910)-反帝国主義言説の修辞-

研究課題

研究課題/領域番号 22520225
研究機関東北大学

研究代表者

井川 眞砂  東北大学, 大学院・国際文化研究科, 教授 (30104730)

キーワードアメリカ文学 / マーク・トウェイン / 反帝国主義 / 笑いの文学 / 世紀転換期(1890-1910) / 反植民地主義 / 反キリスト教文明 / ボーア戦争
研究概要

本研究は、アメリカ文学の代表的な作家であるマーク・トウェインの晩年期に焦点をあて、彼の反帝国主義言説を分析することによって、その修辞の特徴ならびに思想を明らかにしようとするものであり、マーク・トウェイン研究史において相対的に看過されてきたその晩年像の構築に積極的に寄与することを目指している。コロニアル時代の元凶であるヨーロッパ列強の「白人文明」に警鐘を鳴らし続けたトウェインの晩年の思想を、ポストコロニアル時代の今日の視座から分析する。本年度の実績は以下の通り。
1.アメリカ西部の開拓地に生まれたマーク・トウェインの生涯を、同じ年にヨーロッパの王宮で生まれたベルギー王レオポルドII世の生涯と対照的に俯瞰するような視座から捉え、同王の私領であるコンゴ植民地の残虐な原住民支配を痛烈に批判するトウェインを彼の没後100年の年に考察した。(井川眞砂、「マーク・トウェインの生涯」、『マーク・トウェイン文学/文化事典』[彩流社、2010]所収、pp.22-42)。
2.単なるユーモア作家にとどまらぬマーク・トウェインは、晩年、戦争に代わる有効な武器、すなわち「笑いの武器」を提唱し、その担い手に多数の一般庶民を構想する。こうした一般庶民に寄せるマーク・トウェインの基本的な信頼と期待は、いったいどのようにして育まれたものなのか。その思想的背景は、彼が示した「労働騎士団」への大きな共感に見出せるのではないかと論じた。(井川眞砂、「マーク・トウェインと労働騎士団」、『文学・労働・アメリカ』[南雲堂フェニックス、2010]所収、pp.155-194)。
3.トウェイン研究資料の収蔵/研究センターである「マーク・トウェイン・ペイパーズ&プロジェクト」(カリフォルニア大学バークリー校)の学術図書編集活動のいまを報告した。(井川眞砂、「マーク・トウェイン・ペイパーズ&プロジェクト再訪」[『マーク・トウェイン研究と批評』第9号、2010]、pp.4-8)。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 図書 (3件)

  • [雑誌論文] マーク・トウェイン・ペイパーズ&プロジェクト再訪2010

    • 著者名/発表者名
      井川眞砂
    • 雑誌名

      マーク・トウェイン研究と批評

      巻: 9号 ページ: 4-8

    • 査読あり
  • [雑誌論文] エルマイラ2009年「世の中の滑稽な出来事を笑い飛ばせる日が来るだろうか」2010

    • 著者名/発表者名
      井川眞砂
    • 雑誌名

      マーク・トウェイン研究と批評

      巻: 9号 ページ: 43-43

    • 査読あり
  • [図書] マーク・トウェイン文学/文化事典2010

    • 著者名/発表者名
      亀井俊介
    • 総ページ数
      22-42,57-61,171-72,381-418,419-37
    • 出版者
      彩流社
  • [図書] 文学・労働・アメリカ2010

    • 著者名/発表者名
      アメ労編集委員会編
    • 総ページ数
      3-12,159-94
    • 出版者
      南雲堂フェニックス
  • [図書] アメリカ文学必須用語辞典2010

    • 著者名/発表者名
      スティーヴン・マタソン
    • 総ページ数
      231-42
    • 出版者
      松柏社

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公開日: 2012-07-19  

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