研究課題/領域番号 |
22520230
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
ホーンズ シーラ 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (70206035)
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研究分担者 |
矢口 祐人 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 准教授 (00271700)
砂田 恵理加 国士舘大学, 政経学部, 准教授 (00439275)
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キーワード | 文学 / 地理学 / 怪物 / 化け物 / 表象 / 展示 / 複合 / 学際 |
研究概要 |
本研究の主な目的は「怪物」の概念が、差異・無知・予想外といった人間の社会的・文化的な状況のなかにおいて生み出され、それらが文学やミュージアム展示などをはじめとする文化現象にいかに表象されるかを考察することである。その理論的背景となるのは文学および文化地理学であり、さらにミュージアム・スタディスなどの他領域を視座に含む複合・学際的な研究を行う。とりわけ海外との研究者と連携しながら、国際的な研究を展開する。 昨年度の研究は「怪物」論を理解するために、前年度の実績をもとに、空間における怪物の表象の比較研究を行った。とく文化地理学とミュージアム・スタディスの観点からの分析を行った。 研究統括担当のホーンズは、夏期にイギリスのロンドンへ渡り、ジェームズ・ニール博士(University College London)とジュリアン・ホロウェイ博士(Manchester Metropolitan University)と共同研究を進めた。当地で開催された学会(Institute of British Geographers/Royal Geographical Association Conference)に出席する一方で、共同研究者と2012年から地理学と空間に関する理論的研究をまとめたブログを立ち上げる準備をした(このブログは2012年に開設予定)。研究分担者の砂田は松江の小泉八雲記念館の展示表象を中心に、明治から大正期に日本に滞在した外国人による日本の「化け物」や「怪物」表象の分析を行った。同じく研究分担者の矢口は日米のミュージアムにおける超自然現象に関する表象の研究を前年度に引き続き行った。とりわけ「Obake Stories」(おばけ物語)が広く知られているハワイの日系人コミュニティに注目し、日系人博物館などでそれらがどのように紹介されているかを調査した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定していた国内外調査がおおむね順調に進められている。とりわけ海外との研究者との共同研究は予定通り進捗している。ただ、展示表象に関しては、当該テーマの特別展示の期間中の訪問が必ずしも出来なかったため、多少の予定変更を余儀なくされた。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの研究計画に沿って研究を展開していく。研究計画の変更はない。
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