研究課題/領域番号 |
22520230
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
HONES Sheila 東京大学, 総合文化研究科, 教授 (70206035)
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研究分担者 |
矢口 祐人 東京大学, 総合文化研究科, 准教授 (00271700)
砂田 恵理加 国士舘大学, 政経学部, 准教授 (00439275)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 国際情報交換(イギリス) / 怪物 / 表象 / 文化地理学 / 文学 |
研究概要 |
本研究の主な目的は「怪物」の概念が、差異・無知・予想外といった人間の社会的・文化的な状況のなかにおいて生み出され、それらが文学やミュージアム展示などをはじめとする文化現象にいかに表象されるかを考察することである。その理論的背景となるのは文学および文化地理学であり、さらにミュージアム・スタディスなどの他領域を視座に含む複合・学際的な研究を行う。とりわけ海外との研究者と連携しながら、国際的な研究を展開する。 研究代表者のホーンズは昨年度は海外研究協力者との連携に力を注いだ。ジェームズ・二―ル博士(University College London)とともに文化地理学に関する理論的発表を行った。さらに文化地理学の理論的知見を国際的に共有するために書誌情報を中心とするウェブサイトを立ち上げた(http://literarygeographies.wordpress.com)。アメリカ、イギリス、カナダ等の研究者の協力を得て、現在、1000を超える文献の情報が記されており、現在までにヒット数は一万回を超えている。 分担者の砂田は島根県において、神話と怪物表象の分析調査を行った。とりわけ小泉八雲による日本の怪物・怪談を中心に研究を進めた。 分担者の矢口はアメリカのミュージアムにおける他者表象の研究を進めた。カリフォルニア、ニューヨーク、ラスベガス等で調査を行い、研究成果をまとめる準備を開始している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究代表者ホーンズの研究が進める国際情報交換は当初の予定より進展している。とりわけウェブサイトへの反応は予想以上に大きい。 分担者の砂田と矢口は当初、中間報告的な研究ノート等を刊行したいと考えていたが、年度内の達成は出来なかった。代わりに研究期間が終了する今年度中に成果を刊行する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
怪物表象を文学と文化地理学の観点から考察する国際情報交換は今後も積極的に継続する予定である。8月後半から9月にかけて研究代表者のホーンズはイギリスに渡り、協力者であるジェームズ・ニール博士と打ち合わせを行う。これらの成果をもとに、現在、電子ジャーナルを刊行出来ないかを模索している。 研究の最終年度に合わせて、代表者と分担者がそれぞれ研究成果をまとめ、それぞれ単著として刊行する予定である。
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