現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画に従い Vetustissimorum Auctorum Georgica,Bucolica et Gnomica poemata,quae supersunt (1569)とその再版を中心に調査を進めているが、同じCrespin/Vignonの印刷所から出されたIlias(1559),Odysseia(1567)とそれぞれの再版(1570,1574,1580)も17世紀末英国の大学生・大学院生が多く使用したテキストのうちに入る可能性が高いことが明らかになってきた。またIliasのテキストとラテン語訳の改訂にFranciscus Portusが重要な役割を果たしたこともある程度わかってきたので、その点では評価すべき進展状況と考える。一方、流通の問題に関しては今後まだ多くの調査と検証手続きが必要である。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度と平成25年度は、 Vetustissimorum Auctorum Georgica et Gnomica poemata,quae supersunt (1569)、Ilias(1559),Odysseia(1567)の3つの本を中心に、対訳ギリシア詩印刷本の編纂・改訂・再版の過程をさらに詳しく分析し、その変化の特徴を明らかにしていく。さらにそれを手がかりとして、16世紀末英国の大学生・大学院生ならびに大学出詩人たちにおける古典ギリシア詩受容の問題を考究していく。また同時代ヨーロッパの印刷業者による出版物との比較も視野に入れる。
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