• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2010 年度 実績報告書

中世末の英文学における宗教と医学の共生的関係についての表象文化論的研究

研究課題

研究課題/領域番号 22520237
研究機関静岡大学

研究代表者

久木田 直江  静岡大学, 人文学部, 教授 (00271693)

キーワード中世末の医学 / キリスト教 / 健康規範 / 『羊飼いの暦』 / holism
研究概要

本年度は12-13世紀にラテン語に翻訳され、その後、俗語に翻訳された健康規範Secreta SecretorumとRegimen sanitatisが中世末の様々なジャンルの書物に吸収される過程を探り、15世紀末にイギリスで編纂されたThe Kalender of Shepherdesを集中的に研究した。The Kalender of Shepherdes(Kalendar『羊飼いの暦』)は、フランス語版Le Compost et kalendrier de bergiersから1503年に英語に翻訳され、16世紀のイギリスで版を重ねた実用書兼キリスト教的道徳書である。本研究では同書を中世のホリスティックな治療の文脈に位置づけ、医学と宗教の共生的関係を読み解いた。特に、16世紀初頭にロンドンの印刷業者Richard PynsonがSecretaに由来するLydgateのテクストを付け加えて出版したことに着目し、SecretaやRegimen Sanitatisが神秘主義的テクストの中にどのように組み込まれ、身体と魂の治療にいかなる特徴を与えたかを検討し、その上で、Kalendarが健康規範の理論とキリスト教会の言説とが並存する宗教書兼家庭の医学書であり、身体と魂の健康の実践的理論が英語版のKalendarに開花したことを検証した。
研究成果はMedieval Translator 2010, PaduaでThe Translation of the Regimen Sanitatis into a Handbook for the Devout Laity : A New Look at the Kalendar of Shepherds and its Context'と題して口頭発表した。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 「天上の薬と世俗の薬-中世ヨーロッパの医療」コラム:「薬種業の規則」2011

    • 著者名/発表者名
      久木田直江
    • 雑誌名

      くすりの小箱-薬と医療の文化史(湯之上隆・久木田直江(編))

      ページ: 96-111

    • 査読あり
  • [学会発表] Carmelite Missalと中世末の白い衣の修道士2011

    • 著者名/発表者名
      久木田直江(Naoe Kukita Yoshikawa)
    • 学会等名
      ワークショップ:「日欧における中世近世の絵入り本
    • 発表場所
      アルザス欧州日本学研究所(CEEJA)
    • 年月日
      2011-03-20
  • [学会発表] The Translation of the Regimen Sanitatis into a Handbook for the Devout Laity : A New Look at the Kalendar of Shepherds and its Context'2010

    • 著者名/発表者名
      久木田直江(Naoe Kukita Yoshikawa)
    • 学会等名
      Medieval Translator 2010, Padova
    • 発表場所
      イタリア・パドヴァ大学
    • 年月日
      2010-07-26
  • [図書] くすりの小箱-薬と医療の文化史2011

    • 著者名/発表者名
      湯之上隆・久木田直江(編著)
    • 総ページ数
      165
    • 出版者
      南山堂

URL: 

公開日: 2012-07-19  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi