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2010 年度 実績報告書

エマスンの詩とその現代性についての研究

研究課題

研究課題/領域番号 22520239
研究機関三重大学

研究代表者

小田 敦子  三重大学, 人文学部, 教授 (80194554)

キーワードエマスン / ホーソーン / ディキンスン / 「吹雪」 / 自然 / 過剰 / 超絶主義 / 象徴主義
研究概要

毎月、連携研究者である武田雅子研究室で、研究代表者の小田と研究協力者の藤田佳子と3人で、海外協同研究者のコルゲート大学サラ・ワイダーとはメールのやり取りを涌じ、エマスンの2冊の詩集をから選んだ詩を訳詩集にまとめる作業を進めた。エマスンの現代性を明らかにするような項目に分類するために、それぞれの詩を翻訳をチェックしながら、その解釈について議論をした。その成果を、小田は6月コンコードで開かれたHawthorne Society Summer Meetingにおいて、エマスンの詩"The Snow-Storm"がホーソーンのThe Blithe -dale Romanceの隠れた源であるという発表で紹介し、高評を得た。両者が共通して、キリスト教的な精神性に代わるものとして、人間にとってgenuine lifeとは何かに関心をもっていたこと、エマスンが同時代の問題の代表的な思想家でありこそれが彼の詩の表現しようとするものであることが、この共同研究を通じて明らかになってきた。夏には小田が、春には武田がワイダーとアメリカで研究会をもち、その精度を検証することもできた。藤田の発表したエスマンのエッセイの語りを分析する論文も、誌の語る声を考える参考になった。小田は口頭発表を論文に加筆した他、エスマンの詩が表現する自然の特質を、エッセイで論じられたことのあるエマスンの「過剰さ」を理解する上での、よい指標になることを示す論文を書いた。武田も、ディキンスンとの比較を中心にアメリカ詩の中でエスマンの思想の果たした役割を検証した。エスマンの詩の位置づけが、彼自身の作品の中において、また、文学史の中においてどのような意味をもつのかに関する認識が、より深まった。
3月に予定していた国会図書館での明治期以降のエマスンの翻訳や注釈とを参照して、訳詩集の精度をあげる作業は、2011年6月に小田が、2012年3月に武田が段階を追って実施した。詩の訳や注の充実に資することができた。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (3件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 過剰な自然-エマスンのエッセイと詩2011

    • 著者名/発表者名
      小田敦子
    • 雑誌名

      Philologia

      巻: 42 ページ: 107-117

  • [雑誌論文] 英詩入門-いろいろな詩の技法-2011

    • 著者名/発表者名
      武田雅子
    • 雑誌名

      大阪樟蔭女子大学研究紀要

      巻: 1 ページ: 15-28

  • [雑誌論文] 英詩入門-いろいろな詩の形・補遺-2011

    • 著者名/発表者名
      武田雅子
    • 雑誌名

      大阪樟蔭女子大学英語と文化

      巻: 1 ページ: 17-32

  • [学会発表] The Dismal Mask of a Transcendentalist Artist in The Blithedale Romance2010

    • 著者名/発表者名
      小田敦子
    • 学会等名
      Hawthorne Society Summer Meeting 2010
    • 発表場所
      コンコード、コロニアル・イン
    • 年月日
      2010-06-11
  • [図書] 「翻訳を通して見るディキンスンの難しさ、面白さ-"Luxury"の詩をめぐって」『エミリ・ディキンスンの詩の世界』2011

    • 著者名/発表者名
      武田雅子(共著)
    • 総ページ数
      38-53
    • 出版者
      国文社

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公開日: 2013-06-26  

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