研究課題/領域番号 |
22520250
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研究機関 | 福岡教育大学 |
研究代表者 |
西村 美保 福岡教育大学, 教育学部, 准教授 (60284452)
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キーワード | 英米文学 / 地域研究 / ヴィクトリア朝 / 生活文化 / 服飾 / 20世紀 / イギリス |
研究概要 |
平成23年度の本研究の研究成果は以下のとおりである。4月~5月にかけては、ヴィクトリア朝小説と20世紀小説における使用人の表象を比較検討するため、スティーブンソンの『ジキル博士とハイド氏』における使用人の表象を分析し、論文を執筆した。その一方で、20世紀前半のイギリスの女性使用人の生活と衣服について正確な情報を得るため、StaffordshireCouhtyMuseumおよび、Beamish : The North of England Open Air Museumのアーカイブス資料を精読し、分析を行い、20世紀初頭に女性使用人として働いた女性たちの手記と比較した。20世紀前半の女性使用人の衣服を所蔵している連合王国の博物館にコンタクトを取り、8月には、Staffordshire County Museumをはじめとする連合王国の博物館と公文書館へ資料収集のための出張を行い、その後オーストリアへ移動し、20世紀前半のヨーロッパの女性労働の在り方や婦人服に焦点を当て、英国の場合と比較検討するため、資料収集を行った。9月には、収集した資料をもとに、20世紀初頭のイギリスにおける女性使用人の衣服と生活について、論文を執筆した。10月からは、使用人の数の減少とその要因について、関連文献にあたり、正確な情報を収集した。カントリーハウスと貴族をめぐる状況の変化とそれが使用人に与えた影響についても22年度に引き続き、考察した。11月~3月(2012)にかけては、20世紀前半のイギリスを舞台にした、使用人の登場する小説を主従の依存関係、使用人問題に焦点を置き、分析する一方で、ヴィクトリア朝小説であるディケンズの『デイヴィッド・コッパーフィールド』における使用人の表象との比較を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成23年度に海外出張をした成果が大きかったため、20世紀前半のイギリスの女性使用人の衣服と生活についてはかなり研究が進み、今年度は、文学表象の研究に集中すればよい状況となっている。
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今後の研究の推進方策 |
これまでと同様、資料の整理を学生アルバイトを雇って、進めることで、研究を効率よく推進させていきたいと考えている。
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